こんばんは♪
立春を過ぎて
季節は、春になりました。
日曜日
お念仏会にお越しになる皆さまをお迎えするのに
どんな掛け軸がいいかなぁと考えて
盧同の茶歌の一句
「先春抽出黄金芽」を床の間に掛けました。
先ず、春は、黄金の芽を抽(ひ)きだす。
単に春には芽吹きがあるというだけでなく
「黄金の芽」を発芽させる。
黄金の芽というのは
その人、一人の芽であり
いのちの花につながっていく。
自分の花を咲かせられますように、と。
☆
昨日のおまいりで
帰りがけに「住職さん、これ食べて!」と
焼きイモをもらいました。
焼きたて、美味しかったです。
焼きイモ
好きなのですが
もう10年ほど前でしょうか?
お昼ごはんを食べる時間がなかったときに
カバンに焼きイモを入れて
移動中に食べようと思っていました。
それをお参り先の奥さまが
ご覧になって
「住職さん、焼きイモがお昼ごはんですか?」
と言われたので
「ハイ!今日のお昼ごはんは、焼きイモです。焼きイモ好きです」
と答えたら
その奥さま
垂水駅に買い物に毎日のように行かれていたのですが
帰りにお寺に寄ってくださり
ずっと焼きイモを届けてくださっていました。
ありがたく頂戴していたことを
思い出しました。
(*^_^*)
☆
焼きイモと並んで好きなのが
完熟した柿です!
美味しいですよね!!
柿は中国が原産らしく、今では1000種類ぐらいあるそうなのですが
大きく分けると
甘柿 と
(*^_^*)
渋柿 に
(>_<)
分けられます!
今日は、渋柿の話です。
渋柿はなぜ渋いかご存じですか?
それは種子にタンニンという成分が入っていて
それが溶けると渋みを感じるのです。
だから
タンニンを溶けないようにすると
渋みを感じなくなり、甘い柿になります。
どうして
タンニンが種に入っているのでしょうか?
柿の木は、動物や鳥に、果実を食べてもらって
種を他の場所に運んでもらいたいので、
どんどん食べてもらったら良さそうなものですが、、、
時期があるんです。
まだ発芽するには未成熟なうちは
動物に運んでもらって土に着地しても芽が出ませんから
タンニンが食べられるのを保護しているんです。
そうして
もう発芽するのに充分ですよ!という時期がきたら
渋みを消して、青柿から熟れた柿色になって、
「さぁ、食べて!」と
言わんばかりになるんです。
自然の摂理、すばらしいです。
☆☆
タンニンを不溶性(渋く無くす)にするには
1.しばらく放置しておく。すると完熟したら、渋みはなくなります。
ちなみに柿を切ったときに、中に黒い点があるのは、タンニンが酸化したものだから渋くないんです。
他には
2.焼酎に漬ける。
アルコールとタンニンが反応して、アセトアルデヒドになります。
3.お湯に通す
4.リンゴと一緒にしておく。
5.ドライアイスを入れる。
6.干し柿にする。
干し柿にするときには、外の皮を剥ぎます。そのことにより膜が出来て、呼吸ができなくなるのです。それでタンニンがアセトアルデヒドになります。
などなどです。
☆
私たちも、柿にたとえると
ほとんどの方が「渋柿」です。
煩悩というタンニンを中に持っていますから。
(>_<)
タンニンが強すぎれば、人に嫌われることも多いでしょう。
だけど
エゴという皮を剥いで
仏さまの光に当たると、誰にも喜ばれる存在になります!
もとから聖者のような方も、中には居られます。
柿で言うと、完全甘柿です、タンニンがDNAの突然変異で無い柿です。
だけど、ほとんどの柿は、機が熟するまで、煩悩くんが、好き勝手、我がことだけ、ワガママにふるまっているのですが、
何かのきっかけで、機が熟すると
渋柿から甘柿に、変身します。
今の私は、まだまだ渋柿ですが、、、
渋みが無くなれば、甘い柿になれるんです。
放っておいても、甘くなる方もおられますが、、、
せっかくお念仏にご縁があった方は、合掌して、お念仏して、自分の中のタンニン(煩悩)を菩提心(みんなが幸せになる志)に変えてもらって
自分の花を、咲かせましょう!
春には、花々が芽吹くように、私の心の芽も出番を待っているはずですから。
まだまだ風は冷たいです。
体調に気をつけて、健やかにお過ごしください。
ご機嫌よう。
けいくう
☆☆
み光に 育つ芽が花 花が実に 霊性栄ゆ とわのいのちに
さらばとて 移し植え得ぬ 秘めし種 苔むす岩も 裂きて咲かせん
(田中木叉上人道詠)