2022年7月3日

<第958話 指輪物語>

こんばんは♪

梅雨が明けてから

いきなりの猛暑!

すでに夏バテ気味です。

ですが、今日は小雨&曇り

風もあり、だいぶ助かりました。

(*^_^*)

皆さまは、落とし物をしたことがありますか?

出てきましたか?

私の母が、先週、京都に母の叔母のお墓参りに行ったのですが

その時、指輪を落として帰ってきました。

それは、母の母、私の祖母の珊瑚かんざしを二つに分けて

母の姉とペアで持っていた、大切な形見の指輪でした。

気がつけば無かった!何処で落としたのか検討もつかない。

あきらめるしかない、、、

(;_;)

大切なものを落とすと、落ち込むと思うのですが、、、

翌朝、本堂でおつとめをしているとき

母はこう言いました。

「私は、こうして今日も目が覚めて、阿弥陀さまのみ前で、手を合わせて、お念仏ができている!なんとありがたく、なんて幸せなんでしょう!」

続けて

「昨日、おばあちゃんの大切な指輪をなくしたけど、

ケガをしたとか、事故にあったとか、病気になった

という災難を指輪が代わりに持って行ってくれたんだ!とおもう」と。

この心の持ち様は、すばらしいですよね!

指輪が、母の幸せを決めるのではないのです。

指輪は、確かにとても大切のものですが、

「今日、いのちがあること、阿弥陀さまのみ前で手を合わせてお念仏ができること」

幸せだ!というのです。

幸せは、その人の心が決める!

いくらものに囲まれていても、その人の心が「まだ足りない!まだ足りない!」という状態だと、幸せだとは言えないです。

ものがなくても、心が豊かであれば、幸せは感じられます。

(*^_^*)

指輪を無くしてから、一週間後の話です。

母の従妹から、電話がありました。

「あきちゃん、奇跡が起きた!指輪、出てきたで!」と。

従姉妹は母のために、問い合わせ続けてくれていて

拾得物が集積されるところに、届けられていたのでした。

神戸から京都の間、どこで落としたのかもわからない、小さな小さな指輪が

見つかったのです!

さすが、日本です!

京都まで、指輪を頂きにあがり、無事に母の手元に返ってきました。

諦めていた母ですが、帰ってくると、涙を流して喜びました。

(*^_^*)

戻った指輪をして合掌する母

この話をすると、それは「普段の行いや!」と仰る方が多かったです。

普段、どのようなオモイで生きているのか?

何をしているのか?

どんなことを話しているのか?

それが、普段の行いです。

母が大切にしていたものを無くしたから、従姉妹は必死に探してくれました。

母でなければ、そこまで、必死になってくれなかったかもしれません。

多くの人が、見つかりますように、と祈ってくれました。

そうして、きっとお祖母ちゃんも今回お墓参りした叔母さんも

探してくれたに違いありません。

小さな奇跡でしたが、母にとっては大きな大きな奇跡でした。

ものには、心が宿る!

もしかしたら

指輪が自分で目立つように光って、清掃員の目にとまるように、ウインクしたのかもしれません。そうして、拾われて、自分の居場所である母の手元に戻るように。

(*^_^*)

指輪を無くしても、幸せだと言った母の心のあり方。

指輪が出てきて、すべてのことにさらに感謝するようになった母のあり方。

見習うことが多い出来事でした。

台風が来ているようです。

その後はまた猛暑でしょうか?

どうぞお気を付けて、お過ごし下さい。

ご機嫌よう!

けいくう

☆☆

  あるままに また無きままに 楽しけれ 物に淀まぬ 心澄まして

  正しきを むら無理の無く 行いて 成るもならぬも 慈悲のみちびき

                    (田中木叉上人道詠)

おまけ

この動画を見ると心温かくなります。
(*^_^*)