2021年11月14日

<第925話  寝ながら念仏>

こんばんは♪

今日は、写経会でした。

その法話から。

この世に存在するものは

五つの要素から出来ていると説かれています。

それを五大といいます。

地大 堅性 保持する作用

水大 湿性 収め集める作用

火大 煖性 成熟させる作用

風大 動性 成長させる作用

空大 虚空 物質の存在する場所

(空大の空の言語は、アーカーシャ)

の五つです。

また、これを五輪とも言います。

五重の塔

五輪塔

法要で使用する経木塔婆も

この五つを造形したものです。

PastedImage.pdf

PastedImage.pdf

能舞台で

役者が出てくるところに「揚げ幕」という幕があります。

その奥は、神さまや仏さま、死者や精霊の世界、いわゆる「アノ世」の世界です。

そこから、5色の揚げ幕を通ることにより、姿形を伴って、橋掛かり(アノ世とコノ世をつなぐもの)を通って、本舞台(コノ世)にやって来ます。

そして、異次元のものを表すために、能面をつけています。

PastedImage.pdf

この五つの要素が仮に形になり、今の私となっていますが、

本質は、空だというのです。

(※この空の言語は、シューンニャター、先ほどのアーカーシャとは別の概念です)

そして

仮のものだから、

どんな縁によるかで、変わってくるのです。

念仏に縁があると

「隨縁成染浄」 

縁に随って、浄く染まっていくのです。

お念仏、大事なのですが、

空外上人は、よく念仏者は、24時間体制でお念仏をしなさい!

ご指導くださいました。

「普段、起きている時にも念仏しているのですが、

寝ているときの方が大事です。

寝ているときには人に会いませんし、本も読まないでしょう。仕事もしないときには何をしているのか。

念仏をしているというのが本当ではないですか?

何もしていないのに念仏もしないというのは、少しこころが足りない。」

             (『いのちの讃歌』山本空外講義録p.178参照)

起きている時に念仏するのは、意識の領域での範囲です。

寝ている時にする念仏は、無意識の領域が染まっていくのです。

仏さま色に。

先週、紹介しましたが、

阿弥陀仏(あみだぶ)に  染(そ)むる心の 色に出(い)でば

  秋の梢(こずえ)の  類(たぐ)いならまし

(阿弥陀さまに染まっていく心が、色に表れるというようなことがあるなら、まるで秋の深まりとともに木々の梢が紅く染まっていくようなものだろう)

寝ている時に、念仏するなんて、出来るのですか?

との質問が聞こえてきそうですが、

空外上人は

寝ている時に、念仏できないのは

「少しこころが足りない」からと言われています。

この足りないこころは

仏さまをお慕いする心です。

どれだけ、仏さまをお慕いしているか。

好きな人を四六時中ずっと想っていた経験があるとおもいますが、、

同じか、それ以上に、こころに仏さまをおもうと

寝ている時も、念仏ができるようになり、心の底から、仏さまに染めてもらえるのでしょう。

実際、空外上人の寝息は、お念仏でした。

少しでも、見習っていきたいです。

寝ながらも、念仏。

吐く息が感謝になり、24時間体制で念仏することが、念仏行の目標です。

今週も

お元気で!

ご機嫌よう。

けいくう

☆☆

上もなき のぞみをとぐる 為の今日 息するなかれ 念ぜぬときは

呼ぶ前は さほど感ぜぬ 大慈悲の 声に心の うつり恋しき

                      (田中木叉上人道詠)