こんばんは♪
兵庫は、また本日より緊急事態宣言が発令されました。
なかなか先が見えませんね。
注意して、暮らしましょう。
今日は、通照院の春の別時念仏会でした。
別時念仏会、コロナまでは、5日間の大行事でしたが、
今年は、1日だけでもとおもって用意していました。
しかし、先の理由から飲食の接待を寺では控えるということで
結局、午前中だけの行事として行いました。
その席で、「摂取(せっしゅ)」についてお話しました。
光明遍照 十方世界 念仏衆生 摂取不捨
阿弥陀如来の光明は あまねく世界、至る所を照らして 念仏をする人を 摂取して捨て給わず
その最後の「摂取して捨て給わず」の解説をしました。
摂取とは、護って下さって、育てて下さるということです。
ちょうど、親鳥がヒナを守り育てるように。
そして
不捨。
決して、見放すことはないということです。
☆☆
七面鳥の話があります。
七面鳥の母親は、とてもよく子どもの世話をします。
その世話は、子どもがピーピー鳴く声がするとさっとはじまるのです。
その他の匂いとか羽根の感触とか外見ではなく、鳴き声なんです。
子どもを育てているお母さんも赤ちゃんの泣き声で、何をしてほしいかわかるでしょう。
(*^_^*)
だけど、七面鳥のお母さんは、鳴かないとヒナを無視したり、あるいは殺してしまうこともあるそうです。
1974年に、動物行動学者M・W・FOX、ミネアポリス大学教授が七面鳥とイタチの剥製を使った実験をしました。七面鳥は、イタチが天敵です。近づくと激怒して鋭い鳴き声で威嚇し、クチバシでつつき、ツメでひっかきます。それは、剥製のイタチでも同じでした。
しかし、その剥製のイタチにテープレコーダーを埋め込んで、ヒナの鳴き声を流しながら、近づけると親鳥は、近づくのを許すだけでなく、自分の翼の下に取り込んでしまったというのです。そして、テープを止めると、すぐさま激しい攻撃をしたというのです。
鳴き声って、大切ですね。
どんな人であっても、仏さまの名前を呼べば、救いの手をさしのべて、抱き取ってくださるとおもいました。
☆☆
浄土宗の三祖 良忠上人 の 『選擇伝弘決疑鈔』 の第7章に
次のような文があります。
德大寺唯蓮房參籠于雲居寺七日祈請攝取之義
滿夜夢中本尊申手握行者腕動脣出聲云攝―取是也
然後詣蓮華谷問夢虚實
僧都面有感涙氣報云定是實夢也
また徳大寺の唯蓮房、雲居寺に参籠して、七日、摂取の義を祈請す。
満夜の夢中に本尊、手を申(のべ)て行者の腕を握り、唇を動かし声を出して云く、摂取これなりと。しかして後、蓮華谷に詣でて夢の虚実を問ふ。
僧都、面に感涙の気ありて報(こた)へて云く、定んでこれ実夢なりと。
徳大寺の 唯蓮(ゆいれん)という僧が、摂取とは何かを知りたくて
雲居寺に七日間こもって、修行をしました。
満願の日の夜、夢に阿弥陀さまが出てきて、手を握り、そして言いました。
「摂取」とは、こういうことだ、と。
それを本当かどうか確かめたくて、蓮華谷に居られた明遍(みょうへん)僧都に尋ねにいくと、
明遍は、感動して涙を流しながら、それは間違いない本当のことだと言いました。
摂取とは
仏さまと握手すること。
仏さまが手差し延べてくださった手を、しっかりと握って、人生を歩いて行くこと。
仏さまは、いつも手を差し延べてくださっているのに、私がなかなか手をつなごうとしなかったのかもしれません。
誰かと手を取り合い、生きていくことはとてもすばらしいこと。
最近では、手をつないだり、ハグ(抱擁)をすると、オキシトシンという幸せホルモンでることがわかっています。
仏さまと手をつないでいると、あたたかく、安心してすごせます。
仏さまと手をつなぐためにすることは、仏さまの名前を呼ぶこと。
お念仏すれば、決して独りぼっちになることはありません。
非常事態宣言で、ステイホームであっても、お念仏はできます。
どうぞこころ豊かに、安心して暮らせるよう、お念仏を心がけて下さい。
( -人- )
今週も、お元気で!
☆☆
いづこにも いたるところに みほとけの さとりの光 かがやきぞする
あたたかな みめぐみにあふ 胸の中 綽々(しゃくしゃく)として 余裕ありけり
あこがれて 天(あま)つみそらを ながむれば 心に見ゆる 慈悲のおもかげ
(弁栄聖者道詠)