2021年3月21日

<第891話 おごらず>

こんばんは♪

今日は、雨でした。

そして、春のお彼岸法要の日。

通照院の法要の日に、雨が降るのは

何年ぶりかなぁ、、、

というような珍しさでした。

コロナ禍の影響で、午前と午後の2部に分けて

おつとめさせていただきました。

皆さまをお迎えするに当たって、玄関はどんな掛け軸を掛けようかと

昨夜、考えまして

「至精至好且不奢」

という盧ドウの茶歌の一句を選びました。

これは、その前の文章から書きますと

仁風暗結珠琲瓃 

先春抽出黄金芽 

摘鮮焙芳旋封裹 

至精至好且不奢 

意訳すると

暖かい風は、人知れず茶樹に真珠のような蕾をつけて、

春に先駆けて、黄金色の新芽を吹き出す。

新鮮な茶葉を丁寧に摘み、香り立つように焙煎して直ぐ包み、

至精至好(最高)の茶葉でありながら、おごりたかぶることがない。

どの言葉も、師匠、空外上人が好んで揮毫される名句ですが、、、

最高のことをしておきながら、おごることがない!

この言葉にいつも感動を覚えます。

剣道の教えの中に

「勝って反省 負けて感謝」という言葉があります。

ん?

失敗したり

負けたときに反省ってするものでは?

逆じゃない?

勝たせてもらって、ありがとうと感謝する。

負けたら、なぜ負けたかを反省する。

普通は、そうするものでは?

皆さま、どう思われますか?

剣道では、試合をしたとき

ポイントを取ったあと、ガッツポーズをすると

そのポイントが取消になります。

おおっぴらに喜んではいけないのです。

残心が見苦しい!という理由です。

残心、、、

心を残す。

→勝って、反省!に繋がっています。

負けて感謝!は

自分の至らないところを教えてくれてありがとうございます。

ということ。

では、

勝って反省!は

最高の技を出しても、おごらないということ。

おごりたかぶると、それ以上、成長が止まるようにおもうのです。

何より、負かした相手が感謝してくれているのに、それに答えていない。

相手が居てくれたから、技を磨き、稽古に励めた。

相手が感謝してくれるのに、相応しい自分かどうかを

省みるのが、「勝って反省」です。

そして、相手への敬意を忘れないようにすること。

それも負けた時ももちろんですが、勝ったときにも敬意を忘れないことが大切だという教えです。

そうしていると、剣道という道を昇っていけるのです。

☆☆

最高の事をしていて、しかも奢らず!

「至精至好且不奢」

茶道も通じるところが、ありますね。

この不奢をシッカリと感じると、

誰もが、すべてのことが、私を育ててくれる師となります。

人生は、学校。

卒業するまで、学びは続けていけるもの。

せっかく命を授かっているのだから、お彼岸の世界へ往くまで、精一杯、学んでから

還っていきたいとおもいます。

そのためには、「不奢」ですね。

(>_<)

本日は、一日中、仏さまやお彼岸の世界へ先に旅立たれた方々に、どうぞよろしくお導き下さいと祈らせてもらいました。

( -人- )

南無阿弥陀仏

今週もお元気で!

ご機嫌よう!!

けいくう

☆☆

のぼる峠は けわしくも 憂き世の風は 寒くとも お慈悲の中は 春びより 心もうらら 日もうらら

あわば心の 闇はれん たのし三昧の 春の旅 声にお慈悲の 山彦の 響くもうれし 南無の歌

                                   (田中木叉上人道詠)