2020年11月23日

<第874話 日帰り旅行記>

こんばんは♪

寒くなったかとおもえば、また暑さがもどったり何かおかしな感じですね。

先週の金曜日(11/20)、京都と石川に日帰りで小旅行をしました。

きっかけは

木曜日に、広島の檀上先生からお誘いがありました。

染織家の伊豆蔵明彦(いずくら あきひこ)先生の展示を見に行きませんか、と。

檀上先生の交友関係の多様さ・深さには、いつも尊敬しています。

伊豆蔵先生とも30年来のお付き合いだそうです。

伊豆蔵先生の紹介です。

とても興味がありましたので、予定を調整して朝から京都に出かけました。

自然そのままで、染められた作品からは、いのちを感じられ

言葉では、うまく表現できないのですが、、、

触れると、気を感じました。

伊豆蔵先生は、聖徳太子の時代の織物を織れる機械を再現されたり

令和天皇がお履きになった絹の草履をお作りになったり

直径2mぐらいのボールに蚕を5000頭、直接這わせてマユボールを作って、それを染められたり

本当に、自然の力

いのちそのもののすばらしさを

作品とされているので感動しました。

仁和寺の近くのギャラリーで明後日(24日)まで展覧会をしています。

〒616-8253

京都府京都市右京区鳴滝泉谷町5番地

Tel 075-463-3853

伊豆蔵先生、いわく

「日本書記」でその頭から蚕と桑が生まれたというワクムスビの名を借りまして、人と自然、そして人と人との命を糸と色でつないでいく技を、実践することで広め伝えていこうとおもっています。

ハワイをはじめ、ニューヨークやオーストリア、タイなど世界で、ご指導され、ご活躍されています。

☆☆

檀上先生と仁和寺の前のお蕎麦屋さんで昼食を済ませたあと

檀上先生は、仁和寺へ行かれ

私は、車を北に走らせて

一人、石川県小松市に向かいました。

(*^_^*)

ナビでは3時間ぐらいと出ていたのですが敦賀まで山道を走りました。

大雨、薄暗い、携帯の電波は途切れ途切れ、、、

車でも、こんななのに、昔の人はここを歩いて旅していたんだなぁ、、、とおもいました。

3時間半ぐらいかかって目的地に着いたのは16時半前でした。

着いた場所は

「安宅(あたか)の関跡」。

来週の日曜日(29日)、京都の金剛能楽堂で舞囃子「安宅」を舞います。

このコロナの時節ですが、師匠の喜寿のお祝いの大会でもありますので舞うことを決めました。

ですから

安宅住吉大社の神さまにご挨拶をし、弁慶の銅像をみて、その場所を感じたかったのです。

(*^_^*)

☆☆

安宅(あたか)は、ご存じですか?

能では「安宅」ですが

歌舞伎では「勧進帳(かんじんちょう)」として有名です。

壇ノ浦の合戦で平家を滅ぼした源義経は鎌倉幕府を樹立しようとした兄 頼朝と

対立して追われ、奥州平泉の藤原氏のもとへ落ち延びようとします。

それを阻止して捕らえようと頼朝は各地に関所を設けます。

1187年、山伏姿に変装した義経一行が安宅の関を通ろうとすると、関守・富樫左衛門が義経一行を疑います。

この危機を乗り越えるため、武蔵坊弁慶は、東大寺復興勧進のために諸国を廻る役僧だと称して、即興で「勧進帳」(寄付集めの趣意書)を読み上げます。その迫力に押されて、関守は通行を許可しますが、強力(ごうりき)姿の義経が疑われます。すると弁慶は、その疑念を晴らすために、主君義経を金剛杖で打ち据えます。

そこで、関守・富樫氏は、通行を許可します。

やっと通れたとおもいきや、後から富樫氏が酒をもって、追いかけてきて酒盛りとなり、弁慶は延年の舞を舞って、酒盛りも落ちついた頃、さっと奥州(東北の方)へ逃げ去っていくというストーリーです。

☆☆

今回、私は、関を通過したあと、酒盛りで弁慶が舞を舞うところからを囃子に合わせて舞います。

弁慶は身体も大きく、私にははまり役だとおもっていますし、安宅の歌いも舞もすきなので、ハリキッテ稽古しています。(逆にお姫さま役とかは難しいです)

コロナで社会が変化し、自分自身を見つめ、今までの自分を越えるためにも、舞台に立ちます。

もしご都合のつく方は、29日(日)16時前頃、京都の金剛能楽堂に応援に来て下さい。(入場無料です)

(m_m)

昨日、舞台前の最終稽古があり、珍しく?師匠に褒めてもらいました。

うれしくて「昨日、安宅の関跡に行ってきました。」と言いますと

「えっ、日帰りで、まだまだ若いね! だけどあそこは本当の場所じゃないよ!」と言われました。

(>_<。)

「あららっ」とおもいましたけど一日で車を685kmほど走らせ、安宅まで行ったということは、決してムダにはならないとおもっています。行ったことは、必ず何かそれが失敗であっても、的外れであっても、自分にちゃんと返ってくるとおもいます。

弁慶の銅像の前に立ち、カッコいいなぁ~としげしげみつめていると

「逃げないように!」というメッセージが聞こえたような気がします。

先が見えないと暗くなってしまいます。

だけど、できることを、一つずつしていこうとおもいました。

迷っても行う!

逃げない!

今の自分のテーマです。

今回は、日帰り旅行記でした。

ご覧いただき、ありがとうございます。

今週から寒くなるようです、どうぞお身体を温かくしてください。

それでは、ご機嫌よう。

けいくう

☆☆

足らぬ自分の力では 越すに越されぬ この峠 まもるお慈悲の み力で 越されぬままに 越せてゆく

ばかも一心 信願で 無能のベスト つくす時 かげに大悲の力ぞえ できないままに できてゆく

 (田中木叉上人道詠)