2020年9月6日

<第863話 心の北極星>

こんばんは♪

台風10号が心配ですね。

どうぞ大過なく過ぎ去りますことを願っています。

( -人- )

今日は「願い」についてのお話です。

東京の杉並区にあります栖岸院・本應寺の品愚上人から、「せいがん」という寺報を頂きます。

その秋彼岸号に「願いの世界」という記事がありました。

その中で、

人生に疲れ、生きる価値を見いだせなくなった人。

自分自身とは何か、何の為に生まれてきたかわからなくなり、何をやっても虚しく不平不満を募らせている人。

感情を調和できず、自暴自棄になり、人や自分自身をも傷つけている人。

人間世界の色々なやり切れない出来事に愛想が尽き、この世界から逃げ出したい人。

こういった人に共通しているのは「仏さまの願い」と縁がないと言われています。

中でも、阿弥陀仏の四十八願は、最高の願いです。その願いとは念仏するものは、極楽浄土にすくいとってくださるというものです。つまり念仏にご縁があるかどうか。

お念仏をしているとどんなイイコトがあるのか。

品愚上人は、9つの功徳を書いておられますが、その中で2つほど紹介します。

念仏の教えは、未来往生と言って、亡くなってから極楽に生まれるという教えです。それだけを聞くとほとんどの人は、まだ来ぬ未来よりも現実、今が一番大事ではないか、ということを言いますが、それは何もわかっていない人のセリフです。

先に不安を抱えていたのでは、今がどんなに幸せでも、それはあっという間に奪われてしまい、だんだんと不安は大きくなっていきます。往くべき所、還るべき所がわかりそこでの生活や楽しみが知らされると、未来の本当の幸せが、実は今の生活を決めていくということ、未来が幸せなら、今の辛い出来事や問題は、すべて自業自得の修行であることがわかり、それに耐える力がついてきます。

そう「今、幸せ」とおもうことも大切ですが、その先に絶対的な明るい、楽しい世界があるとおもうと、今の幸せも、よりおもいやすいですよね。

どんな時でも「どうせ、うまく行くに決まっている!」と言っていると良くなりますし、その先には仏さまの世界があるとおもうと、ますます「絶対、うまく行くに決まっている!」と確信をもって、言うことができます。

(*^_^*)

私たちは、目に見えて判断できる良い悪い、損だ得だ、楽かしんどいか、高い安い、多い少ないといった相対の価値観で生きていることが多いです。しかし念仏を称えていると絶対の価値観の中で生きていけるようになります。

品愚上人は、言います。絶対とは、仏教用語でいう「常住」、つまり「いつでもどこでも、仏さまは在します」という世界の住人になります。諸行無常の世界にあって、何があっても変わらないもの、何があってもよろこべるもの、決してなくならない功徳を土台にして生きていけるようになるのです。

☆☆

仏さまの願いをもって生活していると心がぶれることが無くなります。目指すところがあるとそこを見続けていたら良いのですから。

昔の旅人は、北極星をみて、航海をしていました。

私たちも、心の北極星である、仏さまを常に見るようにしていれば迷うことなく、仏さまの世界へ進んでいけるはずです。

願いを持つとは、心の北極星を持つこと。

心に北極星をもつと、物事の受け取り方が変わります。言葉使いが変わります。見えてくる世界が変わります。

それは、心の世界が、

暗い無明の世界から、いのち輝く明るい世界への変容です。

迷いの世界からサトリの世界へと言ってもいい。

そう言った意味でも、お念仏大事です。

わかっているけど、すぐに北極星を見るのを忘れてしまいます。

気がつけば、北極星を確認しましょう。

そして

口には、南無阿弥陀仏と。

残暑厳しいです。

どうぞお身体、ご自愛ください。

けいくう

☆☆

真っ正面に 見そなわす 大慈大悲の親さまの 一声ごとに ふくまする 乳をのむ南無 阿弥陀仏

声に心が はこばれて となうるごとに 通い行く 捨てぬ誓いの たのもしき 大慈大悲の ひざの上

(田中木叉上人道詠)

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☆おまけ☆

今日の法話は、下記、URLよりご覧頂けます。

また「せいがん」の記事もアップしておきます。ご覧下さい。

品愚上人が書かれた念仏の功徳を詳しく話しています。よろしければ、お聞きください。