2025年3月11日

<第1024話 祈り>

こんばんは♪

今週は、日曜日ではなくて、火曜日に更新しています。

今日、3月11日は、14年前に東日本大震災の起こった日です。

2011年の3月以来、コロナの期間を除いて、毎年、東北地方に慰霊に行かせてもらっています。

今年は、朝5時にお寺を出て、伊丹空港へ。そして花巻空港に飛びました。

花巻空港から、車で10分ほどのところに宮沢賢治記念館&童話村があるので

はじめに立ち寄り、賢治の文学に触れました。

賢治は、ファンタジーを通して、いろいろなことを教えてくれていますが

『銀河鉄道の夜』などは、死に往く人々の魂の行方を描いた素晴らしい作品だとおもいます。震災の日に拝見し、あらためてそう感じました。

その日は、大船渡の山火事で通行止めがなされていて、そちらには行けず

釜石市の震災記念公園に行って

読経。物故者の冥福を祈りました。

そして

セレモニーに集い方々にお線香をお渡しし、ともどもに祈りました。

蕎麦をすすっていると、先ほどお線香をお渡ししたおばあちゃんが缶コーヒーを持ってきてくれたり、別の方が飴ちゃんやお菓子をくださったりしました。

中には神戸に住んでいた方もおられ、なんとなくご縁を感じました。

人は、一方的にしてもらうだけでなく、お互いに為し合うもの。

幸せは、為し合わせからきているので、お互いにさせてもらうありがたさを再認識しました。

震災の慰霊に寄せてもらい、ありがとうございました。

それから車を三陸海岸沿いに北上し、14時46分の震災の勃発時間には

東日本大津波記念日(岩手県野田村)に到着し、そこで集われた方々と一緒に黙祷をささげ、線香を配り、読経させてもらいました。

移動距離が多いため、そのまま花巻空港にトンボ帰り、楽しみにしていた温泉に入ることもできず、車中で祈りながら、帰途につきました。

岩手山が聳えているのを見て、大自然に畏敬の念を抱き、神戸へと戻ってきました。

長い1日。だけど、毎年のこの1日は、私にとって貴重な時間です。

人々の苦しみ、悲しみは、何年経っても、すぐにあの日に立ち返り、涙が出ます。

それを抱えて、生きていかれる姿に、力をもらい、合掌せずにはおれません。

大きすぎる震災、最近も頻発する震災。。。

そこから、わたしたちは何を学び、どう生きていくのでしょう。

祈りが、広がっていきますように。

けいくう

一切の 縁の 集まる成り行きの 大き流れに 高き意味あり

成り行きの 奥にみちびく 慈悲のみ手 よかれあしかれ やがてよくなる

                            (田中木叉上人道詠)