2024年12月8日

<再配信版 第69話 選択する>

こんばんは♪

寒くなってきました。

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昨日は、バイクで一日中、お参りしていましたので赤い鼻のトナカイさんみたいになっていました。

(>_<)

☆☆

先日、91才の奥さまのご葬儀をつとめました。

そのお家にはお身体の調子がすぐれない97才のご主人が居られるのではじめ連絡をいただいたとき、ご主人が旅立たれたものと思ってしまいました。寿命は、わかりませんね。

☆☆

奥さまの枕経を済ませたあと、喪主である長男さんより相談を受けました。

母の死を父に知らせるかどうか、と。

皆さまどうですか?

最後のお別れに参列できるぐらいの健康状態であれば悲しくてもお知らせしてお別れされるほうがいいかもしれませんが、施設に入って居られて参列もできませんし、状態が悪ければ認識も難しいかもしれません。

そのお父さんにお母さんが亡くなったよ、と伝えるべきか否か。

☆☆

今ではガンの告知も為されるようになってきましたが20年ほど前は、まだ患者さん本人には隠し通していました。

私ならガンと言われたら言って欲しい!と思っていますが、、、。

私の師匠、空外先生は原爆の後遺症から、胃ガンになりました。

お医者さまから奥さまに病名を伝えられたとき奥さまは空外上人に

「あなた! 癌だそうですよ!」

とすぐに言うと空外上人は「あぁ、そうかね」とアッサリしたものでした。

それどころか「ガンのおかげで、助かっているんだ。気の乗らない仕事を依頼されたとき、私はガンですから、というと断りやすいから、自分のしなければならない仕事に専念できる!」と。

空外上人は、やはり器が違います。

☆☆

一般人は、はじめショックを受けて落ち込んで、怒りが生じたり、憂鬱になったりするでしょうが、受容できたときその人の人生が深くなるものです。

そういう姿を拝見していますから、どんな悲しいことでもお伝えした方がいいし自分も伝えて欲しいとおもっていました。

今回のご家族は「父には伝えない」と相談してきめられましたのでそれに従いました。それも家族の愛だと感じました。

映画「The Choice」邦題「君がくれた物語」の中で獣医である主人公の男性が同じく獣医である父から10才ぐらいの女の子がトカゲを診療所に持ってきたとき、父が元気なトカゲに変えて女の子に呪文「アブラ カタブラ~」と言って渡してこい!と言います。

息子の獣医は事実を伝えた方がいいのではという顔をしましたが、

父にこれも勉強だ!と言われ、そのとおり「アブラ カタブラ~」と言ってゲージを渡すと女の子の顔がぱぁーと明るくなって感謝して帰っていきました。

父の獣医は言います。

「あの娘の人生で、悲しいことは、これから数多く体験しなければならない。

だから、今ここで、悲しみを与えなくてもいいのでは」と。

この選択にも、賛否あるとおもいますが、そこに相手を思いやるやさしさがあれば私は、どちらでもいいとおもいます。

右か左か選びなさい。とはどちらかしか選べないこと。ですが広い尺度でみれば人生の出来事のどちらの側面を選ぶか、でどっちを選んでも自分の人生には違いなくそこにおもいやりの心がこもっていればどちらを選択しても「愛あふれる人生」になりますね。

(*^_^*)

12月は

サンタクロースのシーズンです。

サンタクロースはそういった人びとの思いやりの心の象徴。

思いやりの心は目に見えるものではありませんが、子どもをおもう親や誰かがそれを目に見える形にして子どもに伝える行事ではないでしょうか。

何かの選択に迫られている方がおられたら、何を選ぶかではなく心がこもっているか真の心、誠の心があるかを確認したら、どちらでもだいじょうぶです。

(*^_^*)

決断の連続で人生が描かれていくならその一つ一つを大切にしましょう!

今週もお元気で。

ご機嫌よう。

けいくう

☆☆

突き当たる クロガネの戸の あかぬこそ 誠ありやと お慈悲の試験

し得ねども 手はひけぬこと 手にあまり いのる誠に さずかる力

                                (田中木叉上人道詠)

(この文章は2016年12月18日に送った文章に一部編集を加えた再掲載です)