先日、H・Kさんから
いただいたお手紙を
ご本人の許可をいただいたので
紹介します。
☆ここから☆
亡母の葬儀ならびに
中陰に至るまで
暖かいご厚情厚くお礼申し上げます。
中陰中にあったことを
住職にお伝えしたく筆をとりました。
亡母の葬儀が終わり、私は後悔と母を失った悲しみで一人になると
ずっと泣いていました。
そして2012年4月12日(木)の出来事を住職にお伝えします。
亡母は、2001年に姪御が亡くなったとき、知恩院にお参りに行ったと聞きましたので、足を怪我していたのですが、知恩院に行きました。ちょうど桜が満開の時だったので、たくさんの人がいらっしゃいました。痛い足をひきずり、知恩院の阿弥陀さまのみ前で合掌・お念仏をしました。
でも、心は晴れませんでした。仕方なく私は知恩院を後にし帰路につきました。
バス停で阪急河原町行きのバスを待っていましたが、すぐ来るはずなのに、来るバス、来るバスぜんぶJR京都駅行きなのです。
元来、短気な私は「もうええわ!帰りはJRで帰ろう!」とおもい、JR京都行きのバスに乗り、JRで無事神戸まで帰ってきました。
そして
夕刊を見ると、あの河原町の惨事が目に飛び込んできたのです。
「えっ、もし河原町方面行きのバスが来ていたら…」間違いなくあの事故現場に居合わせていました。時刻もピッタリです。
私は、思いました。
母は、私について、京都まで来てくれていたのだ。
そして、母は私に河原町方面へ行かぬように阿弥陀さまにお願いしてくれたのだ。
だからJR京都行きのバスしか来なかったのだ、と。
私は自分が情けなくなりました。亡くなってからも母に心配をかけるなんて。母は今も私を守ってくれているのです。二年間も母に会わず、親不孝なことをしながら、そんな私を母は、守ってくれていたのです。私は涙とまりませんでした。
住職からいろいろなお話を伺い、
満中陰の法要の時には
私は、母に対して素直な気持ちで
「おかあちゃん、ゆっくりとお浄土で休んで下さい!」と手を合わせました。
残された私たち家族は、早く元気になり、お浄土へ往った母に安心してもらえるように、感謝の気持ちで、毎日、お念仏しています。
☆ここまで☆
偶然、JR京都行きのバスしか、こなかったのでしょうか?
それとも
このHさんのお母さまが、そうしてくださったのでしょうか?
本当のところは、わかりません。
しかし、
JR京都行きのバスしか来なかった事実を
Hさんが、お母さまの護念だと感じられることが
大切なことです。
「偶然」たまたまこうなった、とよく言いますが
人生には「偶然」はないと私は思います。
少なくても
自分がそのことに意味を見出せたなら
その人にとっては
「必然」の出来事なのですから。
起こるすべてのことを
他人や社会のせいにせず
しっかりと受け止めていける人は
自分の人生をしっかり歩んでいると
おもいます。
そんな人たちには
「必然」しか存在しないでしょうね。
>^_^<
☆
私は、Hさんのお母さんが、Hさんをしっかり
守っておられるとおもいます。
そのHさん
先週の別時念仏会に来られました。
その感想を合わせて
紹介させてもらいます。
☆ここから☆
はじめての参加でしたので
1.仏さまを拝む
2.念仏を称える
3.木魚を鼓つ
この三つがなかなか合いませんでした。
だんだん一つにそろってきて
ピタッと合いだした時
阿弥陀さまのみ顔と
亡母の顔が
二重うつしになったのです。
何度も
何度も
まばたきしましたが、
阿弥陀さまと母が
重なり
やさしい眼差しで
私と隣にいる妹を
見つめて下さっているのです。
「あー私は母から守られていると痛切に感じました」
満中陰の日
住職から
「あるがままに」という言霊をいただき
「お母さん、顔を見せてくれてありがとう!」というおもいで
念仏しました。
その後、母は一度も姿を見せませんでしたが、
「私のそばに常にいて、見守っていますよ。安心しなさい」
という母のおもいを感じて
念仏の途中で涙が出て止まりませんでした。
☆ここまで☆
もしかしたら
巻き込まれていたかもしれない
事故に遭わずに
無事に帰宅できた。
それが
母のおかげと喜べるようになったHさんは
何も起こらずに
すごせた一日は
お休みになる前に
お母さまに自然に感謝して
すごせるように
なられているはずです。
☆
今日は
<母の日>
今、私がこうしていることを
感謝してお母さんに
言いましょう!
「おかあさん、いつもありがとう。」
∈^0^∋
☆☆
おかげさまって
「かげ」ですから
そっと寄り添って
守ってくださっていることですね。
皆さまの後ろにも
「おかげさま」が
ちゃんと
いたくださいますよ。
∈^0^∋
安心して
この一週間も
過ごしていきましょう。
けいくう
☆☆
ばかも一心 信願で 無能のベスト 尽くすとき かげに大悲の 力添え できないままに できていく
大悲の護念 わが上に 万難こえてみちびけり ただつらぬかん このつとめ 苦楽は縁に まかせはて
(田中木叉上人道詠)
☆☆
今回は、2012年5月に配信した文章の再掲載です。