2023年2月26日

<第992回 懺悔して(見果てぬ夢)>

こんばんは♪

前回の<懺悔して(その3)>には、いつにも増して多くの感想を頂き

その一つ一つに、皆さまのすばらしさを感じました。

ありがとうございます。

懺悔する為には、気づかないといけない。

でも、なかなか気づけない。

だから、佛教では「戒(かい)」があるのです。

戒とは、仏さまの弟子としての自発的な約束事です。

似たようなものに「律(りつ)」があります。

律とは、規律というように、外から強制的に禁止事項を言われ守ること。

破れば、もちろん罰則があります。

「戒」を破ったときに、「懺悔(さんげ)」します。

代表的な戒は、五つあります。

五戒

一、不殺生戒(ふせっしょうかい)

二、不偸盗戒(ふちゅうとうかい)

三、不邪淫戒(ふじゃいんかい)

四、不妄語戒(ふもうごかい)

五、不飲酒戒(ふおんじゅかい)

この五つの戒は、突き詰めると一つも守ることができないのです。

不殺生、殺すなと言われても、佛教では、植物も動物も、石さへも命があると説いているわけで、私が今日一日を生きるのに、無数の殺生をしているはずです。

だから、毎日、懺悔をする。

実行不可能な戒をどうして、自発的に誓うのか?

それは

為しえることができないから、「戒」そのものが永遠に私の前に存在することになるからです。

盗むなも異性と交わるなも

頭の中で、アレがほしいな、アノ人ステキだなと、おもった時点で、アウトなんです。

ウソをつくな、、、も そうですよね。

酒飲むなも、お酒だけで無く、いろいろなものに酔って道を外すこともあります。

ほんと、誓いを立てても、守れません。

(>_<。)

ですが

出来ないことを誓うから、懺悔し、反省し、よりよい私になれるのです。

私の好きなミュージカル「ラマンチャの男」のテーマソングに

Impossible Dream、ドンキホーテの見果てぬ夢!

というのがあります。

その中の歌詞をいくつか紹介します。

To dream the impossible dream 

不可能な夢を夢見る。

To fight the unbeatable foe

かなわぬ敵と戦い

To bear with unbearable sorrow

耐えがたき悲しみを耐える

(中略)

This is my quest to follow that star,

遠くの星を見続けて、人生を探求する

No matter how hopeless, no matter how far,

そこには、望みがなくても、遙か遠くでも

(中略)

And I know, If I’ll only be true, To this glorious quest

That my heart will lie peaceful and calm,

When I’m laid to my rest, And the world will be better for this

この栄光に満ちた探求こそが真実!だと知っている。

私が、疲れて倒れても、私の心は、安らかで穏やかだ。

そして、この世界が、良くなるのだ!

Still strove with his last ounce of courage

最後の一滴まで、勇気を振り絞り

To reach the unreachable star.

届き得ぬ星に、手を伸ばし続けるのだ。

いい曲です。

よろしければ、聴いてみて見下さい。

追い求めるから

人は、永遠に成長できる。

言葉を変えると、不可能と思われること(永遠にゴールがないこと)を目指し続けている人をみると

その人のことが、光輝いているように見え、

その人の人生が、美しくみえる!と言える。

自分の輝きも自分ではなかなか気づけないんですよね。

最近の人は、誓いを立てない。

だから、悪いことをしても気づけず、反省の色も見えない。

それは、人間として、どうかとおもう。

私も、こうして書いていますが、

恥ずかしいばかりです。。。

☆☆

仏さまに自発的に誓いを立てる。

一見、堅苦しいようにおもえるかもしれませんが、

自分の人生を彩ってくれるのが、「戒」そして「懺悔」なのです。

そして

人生を美しく歩みましょう!

どの いのち も、美しい。

もちろん

私の いのち  も。

懺悔シリーズを書いていておもいました。

いのちの輝きに気づくのが、「懺悔」の役割かも知れません。

寺庭の梅も、白梅は満開近し、紅梅は咲きはじめ。

2月もあと二日。

季節は、進みます。

体調に気をつけて、

ご機嫌良くすごされますように。

けいくう

☆☆

貪欲瞋恚(どんよくしんに) 煩悩の 水攻め火攻め 日暮らしを

  またかまたかと 涙する 大悲のむねや いかならん

広大無辺の みちからに みちびかれゆく 我なれど

  弱き心の 悲しさに つまずきころび 日をおくる

            (田中木叉上人道詠)