2023年2月12日

<第990話 1cmの深さに宇宙を見た>

こんばんは♪

今日は、お日さまポカポカ

あたたかい一日でした。

朝から、今年最初の大きな法要、

涅槃(ねはん)法要をつとめました。

法要で、30分ほどお話をさせていただくのだけど、、、

何をお話させてもらおうかなぁ?

考えて過ごしていました。

毎週、日曜日お話させてもらうから、

そういう意味では毎週毎週、考えているのです。

このブログもそうです。

それが、自分の勉強になっています。

聴いて下さる(読んでくださる)皆さまに感謝です。

涅槃とは、インドの言葉ニルバーナの訳で

(煩悩の)火が吹き消された状態のことをいいます。

人は、この肉体が滅べば、煩悩も消えるので、お亡くなりになることを

ご入滅ともいいます。

特に、涅槃法要と言えば、お釈迦さまのご入滅を意味することが多いです。

ですから

佛教の基本である「三宝印(四宝印)」について

お話しようとおもいました。

三宝印とは

1.諸行無常(しょぎょうむじょう)

2.諸法無我(しょほうむが)

3.涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)

です。

これに、4.一切皆苦(いっさいかいく)を加えて

四宝印と言います。

1.諸行無常

すべてのものは、止まること無く、移ろいゆくということ。

2.諸法無我

すべてのものは、常住不変なる「我」がないということ。

この二つのことが、しっかりと府に落とすと

3.涅槃寂静

心穏やかに、健やかに過ごせるのですが、、、

なかなか落とせないから

4.一切皆苦

この世のすべてのものは、苦しみ(思い通りにいかない)。

と、お釈迦さまは、言っています。

今日は、法話の中で西川悟平さんの行き方を紹介しました。

世界的に活躍されているピアニストです。

まず彼は言います。

最悪と思われる出来事でも

ちょっとした考え方と行動の違いによって

それが最高の出来事になることが、多々ある。

と。

どうして、そう言えるのでしょう?

彼は、1974年生まれなので、50才ぐらいですが、、、

今までで、3回。「絶対無理」と言われました。

1回目 15才の時、進路に迷っていたときのこと、当時チューバを演奏していたのですが、それを続けるためには、ピアノのバイエルを習わなければならいと

ピアノの先生の所に行き、そこで、ショパンのノクターンを聞き、ピアノの先生になりたいと言い、音大のピアノ科に行くと!

そこで「絶対無理!」。

ピアノ科に行く方は、3才ぐらいからピアノを習い初め、毎日毎日、何時間も練習している人ばかりだから、15才からでは無理!と。

周りの人に、無理!無理!と言われても、彼は、見事、大阪音楽大学短期大学部のピアノ科に現役で合格します!

卒業後は、デパートの和菓子屋に勤務しますが、1999年、あるコンサートの前座で演奏しているのをDavid Bradshawらの目にとまり、N.Y.に行くことになります。

その時も、周りからは「無理!」と言われました。(2回目)

3ヶ月の滞在が終わる頃、経験を積んで帰りなさい、と。

リンカーンセンター・アリスタリーホールをDavidは、用意してくれて、そこで演奏します。

それが、世界的なピアニストになる大きなステップになり、翌年から定期的にカーネギーホールで演奏されるようになったのですが、、、

2001年、ジストニアという難病に罹り、両手の演奏機能を完全に失い、5人の医師から「ピアニストとしては、無理!」と言われます。(3回目)

しかし、リハビリの末、右手の機能と左手の指2本を回復させ、「奇跡の7本指のピアニスト」と呼ばれています。

きっかけは、子ども達が喜んでくれたこと、イタリアで演奏の声がかかったことだったそうです。

そのイタリアでは、7本指で弾いていますということを言うな!

「音色で勝負しろ!」と言われたそうです。

横に弾くのは10本指の人には、叶わなくても

ピアノの鍵盤が1cm、縦に押し込むその加減・繊細なタッチで、悟平さんの音色が出るようになった。

その時に、「1cmの深さの中に、宇宙を見つけた」と言われました。

そうして、この世に何かメッセージを発信したいと、2020年の東京パラリンピックでの演奏を希望し、グランドフィナーレで「What a woderful world」を弾かれたのです。

その西川さんご本人のトークがすばらしいので、ネットで検索して、ご覧になってください。

僕が間違って書いているかも知れませんから。

(>_<)

最初に書きました、彼の言葉。

最悪と思われる出来事でも

ちょっとした考え方と行動の違いによって

それが最高の出来事になることが、多々ある。

ちょっとした考え方と行動の違いなんです。

ほんのちょっとの角度が違うだけど、長年過ごすと全然違うところに行き着いてしまうのです。

今、最悪と思っていても、、、

最高の出来事に、向かって歩みを進めていけば、いつの日か、、、

最高!!って言える気がします。

そう言えた時が

涅槃寂静の境地ではないでしょうか。

特に、自分の人生が終わって、自分で自分の振り返った時に

最高!!ってなったときに、涅槃と言えるのでは。

そうイメージして

今日から、最期の日まで、歩いて行きましょう。

時には、手を取り合って

仲良く、楽しく。

けいくう

☆☆

定め無き世に 捨てられて 寄る辺なぎさに おもいきや

   落ちしは慈悲の 船の中 すてぬちかいの ひざの上

末は救いの 海に入る 今は涙の 川の水

   導くみ手の 指すかなた 希望の未来  かがやけり

              (田中木叉上人道詠)