2023年1月29日

<第988話 春風を斬る>

こんばんは♪

先週は、10年に一度の大寒波!
{{ (>_<) }}

神戸でも
雪が積もりました。

今なお、水道管破裂や電気が止まっている地域があるとのこと
お見舞い申し上げます。

24日(火)の夜
長田区で通夜を終えて、垂水区の通照院まで帰る時

通常30分ぐらいなのですが、1時間ぐらいかかりました。

となりの車のタイヤが、
坂道で空回りしはじめ
フラフラしだして、結局、立ち往生。

あちこちで
スリップ事故。

無事、帰宅できることを願いました。

列車にも10時間閉じ込められた方も居られたとか

大変な目に遭われた方が多かったとおもいます。

翌日25日(水)

10時からの葬儀でした。

余裕を見て8時に
お寺を出ました。

ところが、垂水地区は坂ばかり、、、。

塩屋というところを抜けるところで
至るところで、スリップ事故。
通行止め。。。

電車は、止まっている。。。

一瞬、走っている電車を見かけたので
垂水駅近くの駐車場にとめて、駅に走りましたが
次の列車はいつ来るのか、わからない。

再び、車に乗り込み
どうしようもなく
ほとんど進んでいない国道2号線へ。

結局
3時間かかりました。

はじめて、葬儀に間に合いませんでした。
(>_<。)

葬儀会場から斎場までも
通常は20分ほどですが、1時間半かかりました。

一日、車に乗っていた感じでした。

雪のすごさ、コワサ。

雪用タイヤの偉大さを感じました。


今日、お参りしたお家でも

その話題に。
道路が通行止めになっていましたね、って。

ところで
そのお家は、お父さまがコレクターで、いい掛け軸がたくさんあります。

毎月のお参りで、床の間を拝見するのが楽しみです。

今日は、犬養木堂の二行書を掛けて下さっていました。

見ると、無学祖元の「臨剣頌(りんけんじゅ)」ではないですか!

この文章の中の「春風を斬る」が、好きなんです。

臨剣頌 無学祖元

乾坤(けんこん)、地として孤筇(こきょう)を卓(たく)する無し
喜び得たり、人空(にんくう)、法も亦(ま)た空
珍重す大元三尺の剣
電光影裏に春風を斬る

この広い天地に、独り杖をつく場所もない。人生は空であり、天地の法もまた空であるといわれている通りだ。いま元の兵が持っている三尺の大剣が、稲妻が走って春風を斬るごとくに振り下ろされ、私は殺されようとしている。これもまたありがたいことだ。

無学祖元は、鎌倉中期に北条時宗の招請によって中国の南宋から日本に来て、鎌倉の建長寺・円覚寺を開きました。

日本に来る前に、台州の真如寺で居たときに、元の兵士が襲ってきました。
寺に居た僧は、みんな逃げたのですが、無学祖元独りが、荒れ武者の迫り来る中で、泰然と座禅していた。その姿に怒りを覚えた兵士が大長刀を持って、襲いかかり、首をはねようとしました。

その時、無学祖元は、深くお辞儀をして
「ああ!ありがたい!殺していただけるとは!」と感謝した。

死の場にあってなお、心地よい春の風が吹く如く、悠々としている無学祖元の姿に、兵士は振り上げた剣を降ろすことができず、退散したという話があります。

明治の三舟(高橋泥舟・勝海舟・山岡鉄舟)の一人
山岡鉄舟は、無学が到達した心境を目標として、自己研鑽の剣道場を「春風館」と名づけました。

電光影裏に春風を斬る

グタグタしていないで

スパッとした世界!

憧れます。

お葬儀には、もう遅れたくないですが、
無学祖元師のように
どんな時も悠々泰然としていたいとおもいました。


お参りを終えて
外に出ると
スカッと晴れた青空!

春まであともう少し
寒さもまだまだ続くとおもいますが
気合いを入れて、がんばります。

皆さまも
どうぞお身体、ご自愛ください。

けいくう

☆☆
寒くとも 庭の光を なつかしみ 人よろこばせ 咲くや白菊

寒中を 咲きし花なり まずしくも 思え幾朝 堪えし霜雪

せむる理の 勝てば逆ろう 人ごころ 譲りてなごむ 春風の家

                   (田中木叉上人道詠)