こんばんは♪
昨年の後半から
お葬儀の波は、続いています。
先週も今年2件目の葬儀をつとめさせていただきました。
85才、男性。Y・Mさん。
お医者さまから年は越せないかも、と言われていましたが
家族のおもいを受けて、年を越え、正月を迎え、松の内が過ぎたころ
旅立って往かれました。
遠方であることを気にされていたご家族からご相談を受けていていましたが
神戸に居られるときは、毎月お会いしていたので、是非、伺いますと伝えていました。
Yさんは、九州のご出身で、30代まで、地元で過ごされ、お兄さまが神戸に居を構えて、ご両親とともに住まれることになったとき、両親とともに神戸に来られました。
中学までは通われたのですが、高校進学が難しく、義務教育を終えた後は、ほとんどお家で過ごしておられました。
お父さまが亡くなった昭和62年から通照院とのお付き合いがはじまりました。
ちょうど私が衣を着て、お参りをはじめたころです。
M家には、毎月8日にお参りさせてもらっていました。
Yさんは、お母さまとご一緒に、いつもニコニコしてお仏壇の前に座り、大きな声で読経してくださっていました。そして元気に挨拶をしてくださり、帰る時には「ありがとうございました」と言ってくださっていました。
平成14年にお母さまが他界の後は、兄嫁さまと共に、手を合わせてくださっていました。
しかし、平成16年にお兄さまが旅立たれ、神戸から引っ越されることになりました。
それ以来、たまにご法事で、お顔を拝見するぐらいでしたが、転居先でも周りの方々に人気があり、Yさんの周りには、いつも笑顔が広がっていました。
葬儀会場の入り口に、アルバムを飾っておられましたが、どの写真もやさしい顔の方ばかりが写っていました。
Yさんの役割は、
「自分はいつも笑顔で、そして周りの人をやさしくし、笑顔にすること」
だったようにおもいます。
Yさんのお兄さまTさんには、殊の外、私はよくしていただき、いろいろなことを教えて下さったのですが、Tさんのやさしさ、人の痛みがわかる心の広さは、Yさんが弟としておられたからだとおもいます。
人としての価値は
一概には、はかることはできません。
ですが
葬儀の時、参列された方々の顔に、その価値が表れているようにおもいます。
十数人の方々が、口々に「ありがとう。ありがとう!」と言って、お別れをされる様子を拝見していて、
Yさんの人生のすばらしさを強く感じました。
今回Yさんに捧げた戒名は、「天弓」。
天の弓って、どういう意味かご存じですか?
お空にかかる「虹」という意味です。
照らす役の人
雨を降らす役の人
風を吹かす役の人
そして
虹をかける役の人
人それぞれに、役割がある。
そのどれもが
すばらしいということをYさんの人生を通じて、ご葬儀を通じて
感じさせてもらい、手を合わせました。
今は、大空にかかる虹となって、涙の雨を降らした方々を、再び元気にするように見守ってくれる存在になられました。
( -人- )
Yさん、ありがとうございました。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏
☆
今、受験シーズン、真っ最中。
受験生に申します。
合格しても
そうでなくても
人としての価値は、それには関係ないですよ。
そうはいっても
渦中の受験生は、勉強してきたことが答案に出ますように、
将来に向けて自分がしたい勉強をする環境が出来ますように、
お祈りしています。
☆
自分の役割を生きる。
心がけたいです。
今週、また寒くなるそうです。
どうぞご自愛下さい。
ご機嫌よう。
けいくう
授かりし境遇 いさぎよく忍び 果たす使命に 光る身の上
一生を ゆかの釘にも ささげばや こがね造りの 玉の宮居に
石窟(がんだら)に 一生ささげ 野に朽ちて 仏きざむに 我が名刻まず
(田中木叉上人道詠)