2022年11月27日

<第979話 菩薩道>

こんばんは♪

2022年カタール
ワールドカップサッカーが
開催され

日本は、初戦ドイツに劇的な逆転勝ち
そして
今晩、まもなく第二戦のコスタリカ戦。

盛り上がっていますね。
(*^_^*)


試合とは別に
日本が注目されたのが
サポーターが試合の後でゴミ袋をもって
スタジアムを掃除して帰ること。

そして
選手が使用したロッカールームを
ピカピカにして帰ったこと。

これは
日本が勝った試合の後だけではなくて

負けた試合の後もきちんとしていること。

つまり勝負にこだわる次元、勝った負けただけが重視されるとは違う精神性の話です。

そして
今回のワールドカップからではなくて
ずっと以前から
日本国内の試合でも
当たり前にしていること。

だから、海外のメディアからインタビューされても

「?」

って、なって

「当たり前のことをしていて、表彰って、何で?」

というコメントを見て

日本人のすばらしさを
もっともっと世界の人に
知って欲しいとおもいました。

小さい頃から
たとえば遠足に行くと

「来た時よりも美しく!」
と、言ってゴミを捨てず

落ちていたら
持って帰っている小学生たち。

だから、どこも
キレイになっていきますよね。

海外の方が日本に来て、驚かれるのが
街の美しさです。

これは、心のあり方、精神性の表れです。


そういった精神が日本人に根付いていった背景に

日本の風土・気候もありますが、

仏教の思想
とりわけ
大乗仏教の菩薩道が
あるとおもうのです。

たとえ自分が選手にならなくても
精一杯応援して、掃除してきれいにして帰る。

たとえ自分は仏にならなくても
自分にできることをして、心を浄め、社会の役に立つ。

これが、菩薩道です。

仏さまを拝み、智慧と徳を積んで
他者への奉仕を心がけ
人さまの役に立つような菩薩に
なろうとしてきた先人達から
受け継いだ精神です。

☆☆
それは、難しい経典から民衆へ広がって行ったのではなく

たとえば、民話やおとぎ話を通して
伝えられてきたとおもいます。

今朝の法話では、「一寸法師」を通して、それを考えて見ました。

よくご存じだとおもいますが、
ざっとしたあらすじは

むかしむかし、あるところに子供のない夫婦が住んでいた。日頃から子供を恵んでくださるよう住吉の神に祈っていたが、念願かなって夫婦は子供を授かった。
しかし、産まれた子供は身長が一寸(3cm)しかなく、何年たっても大きくなることはなかった。子供は一寸法師と名づけられた。
ある日、一寸法師は武士になるために京へ行きたいと言い、刀の代わりに針を持ち、お椀の船で旅に出た。箸のオールでこぎ進み、なんとか京にたどり着いた。
京で大きな立派な家を見つけると、一寸法師は家の主に気に入られ、そこで働かせてもらうことになった。ある日、その家の娘と宮参りの旅をしていると、なんと大きな鬼が娘をさらいに襲いかかってきた。
鬼に飲み込まれた一寸法師は・・・
娘を守ろうとした一寸法師だったが、指先ほどの小さな体では相手にならず、あっけなく捕まって鬼に一飲みにされてしまう。
ところが一寸法師はひるまなかった。鬼の腹の中で、針の刀で大暴れ。鬼はたまらず降参し、一寸法師を吐き出すと、一目散に山へ逃げてしまった。あわてて逃げた鬼は、小槌を落としていった。
その小槌は、何でも願いが叶う打出の小槌だった。一寸法師はすぐに打出の小槌を振って自分の体を大きくすると、なんとも立派な青年に早変わりした。一寸法師は娘と結婚し、打出の小槌で金銀財宝も打ち出して、末代まで栄えたという。

童謡にもなっていますね。

☆☆
小さくても
それを苦にせず
立派な武士になろうとする心意気。

そして、大きな鬼に向かっていく勇気。

姫を守ろうとするまごころ。

食べられても、鬼のお腹の中で
最後まで、あきらめない根性。

そういったことが
美徳として、無意識の中に、根付いて行くとおもうのです。

☆☆

こういう言葉もあります。

一寸の線香
一寸の仏

寸寸積みなす丈六の身
三十二相八十種好

自然に荘厳す
本来の人
    (一休禅師)

一寸、3cmの線香が燃える間
祈っていると一寸の仏となる。

だけど、それが繰り返されると
丈六(約5m)の仏さまになる。

自然に厳かに
本来の自分になっていく。

小さいことも
積み重なって
積み重なって

大きなことを為しえていく。

目の前のゴミを一つ拾うことが
積み重なって
世界中の人に広がって
この星が綺麗になっていく。

そうなれば
みんな気持ちよく暮らせますね。

アナタも私も、みんな菩薩です。

仏さまに手を合わせ、
さぁ、自分にできることをしましょう。

お元気で!
ご機嫌よう。

けいくう

☆☆

とらわれず 信じる通り 最善を つくせし夕べ 感謝のどかに

怠らず あせらず つとめ結ぶ果(み)は 時にまかして 生かすその「時」
                     (田中木叉上人道詠)

☆おまけ☆
日本のユニフォームも
文化を表していて好評だそうです。