こんばんは♪
今日の写経会の話から。
仏弟子になるときに
三帰三竟を授かります。
その第1が
帰依仏両足尊
です。
これを空外先生は
帰依仏両足尊とは、お釈迦さまの御足ですが、簡単にいうと願と行です。我々は生きていく上において願いがないと生きていけません。
そして
願を持てば、願行具足といって実行しなければいけません。
と、言われました。
☆☆
願い
と
行い
です。
願いは、例えば、より良く生きていこう。人の役に立つ人になろう。
と持ったとしても、行がなければ、絵に描いた餅で終わるということです。
どうして、行が大切なのでしょうか。
そのことをお釈迦さまのお弟子の一人、周利般特(しゅりはんどく)さんで考えて見ましょう。
この周利般特さんは、もの覚えが悪かった、、、というよりほとんど覚えられなかった。自分の名前さえも。
(-_-;)
だから背中に「周利般特」と書いた札を荷物のように背負っていたそうです。
周利般特さんは、お使いにいっても
「こんにちは!」
と
言ったあと、何を買うのかわからない。
どこから来たの?
「?」
名前は?
「?」
出直してこい!
振り返ると
「あぁ、周利般特か!」
(+_+)
と、ワカル始末です。
この周利般特さんが、亡くなった時に、お墓から見たことの無い植物が生えてきた。
名前をどうしよう?
周利般特は、名前を荷物のように背負っていたから
「名荷」。
植物だから、名にも草冠を付けて「茗荷(ミョウガ)」としようとなったそうです。
(*^_^*)
だから、茗荷を食べると、もの忘れになる!と言われるようになりました。
(>_<)
落語にも「茗荷宿」という話があります。
ご存じの方もおられるでしょうが、簡単に書きますと
さびれた旅館にお客が来た。
主人と奥さんがチラッとみると、そのお客の懐にお金がつまった財布が見えた。
主人と奥さんは、なんとかその財布を忘れてくれないものかと考えたら、
奥さんが、今日、茗荷を沢山いただいたから、それを料理していっぱい食べてもらいましょう!と、茗荷づくしのご馳走を並べた。
さぁ、翌朝、お客が出立した後、二人は二階の客間に駆け上がり、財布を忘れていないか部屋中を探します。
「おかしいなぁ、あれだけ茗荷を食べたのに、、、忘れていない。。。」
そして
二人で、目を合わせて!
「あっ、あのお客、宿泊代を払うのを忘れていってしもうた!」
というようなお話です。
(*^_^*)
☆
周利般特さん、物覚えが悪いので、他の弟子からも蔑まされ、いじめられて
お釈迦さまの弟子に相応しくない!田舎に帰れ!と言われて
シクシク泣いていました。
そこへお釈迦さまが来られて、「どうして泣いているのだ?」と尋ねられました。
周利般特「私は自分の名前さえも覚えられない愚か者です。とても他の弟子達と同じような修行はできません。かといって送り出してくれた田舎にも帰れず、どうしたものか。自分が情けなくて、泣いています」と。
そこで
お釈迦さまは、「お前にはまだ見どころがある!世の中には、自分は賢いとおもっているものは、山ほどいる。しかし、自分の愚かさに気づいているものは、少ない。お前は自分の愚かさをちゃんとわかっている。ものが覚えられないなら、掃除だけしておきなさい」と箒(ほうき)を渡された。
そして、「塵を払わん、垢を除かん」と言いながら、掃除をしておけ、と。
周利般特は、お釈迦さまに「見どころがある」と言ってもらえたことがうれしくて、それから一生懸命、掃除をしました。
一年、二年、、、、五年、、、十年。
一心に掃除をしました。し続けました。
十二年経ったとき、周利般特自身の心の塵と垢が除かれて、サトリを開いたといわれています。
体得する!
と、言いますが頭でワカルのではなく、身体に染み込んでいくのには、「行」がいるのです。
聞いて「ウンウン」とワカル。
そういう分かり方もありますが、それを行じていく。生活の中で実際に行っていくことで、ワカリが、深まっていくのです。
願いを持つ。それから行じていく。
その二つがないと、物事が進まない。
帰依仏両足尊の両足とは、「願」と「行」です。
その二つが揃って、人間として尊い生き方を歩めていくのです。
宮本武蔵は、「剣は磨けば磨くほど 光を増す」と言いましたが
掃除は、「磨けば、磨くほど、汚さが見えてくる」のです。
人は、きれいな心になりたいとおもっていても、磨けば磨くほど、情けない私、愚かな私に気づいていくのです。
と同時に、おかげを感じる心も育まれていきます。
これも仏さまのおかげ、ここもそう!と
有り難さがどんどん増えてきます。
それが、人間道を歩む
帰依仏両足尊の姿ではないでしょうか!
ソバ屋の窯(湯ばかり→言うばかり)
絵に描いた餅(食べれない)
では、もったいないですね。
今日の話は
自分に、言い聞かせながら、書きました。
(>_<)
読んでくださり、ありがとうございました。
急に、風が冷たくなりました。
お身体、お気を付け下さい。
ご機嫌よう。
けいくう
☆☆
大みちからを ちからとし いさむ心の 奮い立ち
南無阿弥陀仏のかけ声で できないからぞ やってみる
またとなき日の 今日の日ぞ わが永遠の わかれみち
歓喜みなぎる 身をささげ いざやつとめん このひと日
(田中木叉上人道詠)
追伸
この周利般特さん、ある有名なマンガのモデルになって登場しているんですよ!
ご存じですか?
ヒント:箒を持って、道行く人に「お出かけですか?」としか言わないキャラの人です。