2022年7月17日

<第960話 Yさんのひまわり>

こんばんは♪

今朝、ご本尊さまに

「ひまわり」がお供えしてあった。

この暑い時期に、お日さまに向かって咲く、ひまわり。

古代のインカ帝国では、太陽のシンボルとして尊敬されていたというし

今でも、ロシアでは、国花として、愛されている。

お日さまに向かって、ひたすらお日さまに向かっていくので

日回り

とか

日輪草

日車

向日葵

といった

漢字を使われている。

花言葉は

「あなただけを見つめている」

「憧れ」

「情熱」

だ。

今朝、本堂にお供えしてあった

ひまわりは

2年前にスキルス胃ガンで、若くして旅立ったYさんが

種から植えて咲かせた花の種を

Yさんのお母さんが育てて

咲かせた花だと聞いた。

3人の子どもを残し、病気を知り、どんなオモイでお過ごしになったのであろう。

☆☆

病床で、『あまびえさんのおはなし』を書かれた。

コロナが流行かけたころだ。

物語の後半で

ある一人の女の子が歌を歌った。

「ありがとう 大好きだよ」って。

すると

その歌は世界中に広がり、閉じこもっていた心の窓が開いていった。

人はそれぞれ、絵を描き、ダンスをし、お話相手になって、大好きを伝えていった。

あまびえさんは、わらった!

会えなくても

触れられなくても

こころはとんでいけるんだ!

大好きな人のところへ。

がんばっている人のところへ。

人々がそれに気づけたから、あまびえさんは、笑った。

そうして、お空に浮いていった。

きっと、だいじょうぶ。

この世界は、つながっているから。

つながっていることに、みんながきづいてくれたから。

あまびえさんが吸い込まれた空には

大きな虹がずっと見えない世界の向こうまで

きらきら輝いていた。

最後に

Yさんは、言う。

うれしいことと おなじくらい

つらいことも かなしいことも

まけそうになることも

これから おこるかもしれない

でも、だいじょうぶ。

ぼくたちは つながっているから。

あしたに むかって

まいにち あるいていくんだ。

と。

迫り来る死と向き合いながら

いのちのことを考え

家族のことをおもい

小学校の教え子達のことをおもい

文章に残したYさんのおもいは

太陽に向かって咲く

ひまわりの中にも

感じられた。

ひまわりを見た子ども達は

「だいじょうぶ」を胸に

今日を生きている。

亡くなられても

つながるオモイがある。

見えなくなっても

触れられなくても

私のことを

見守ってくれている。

そのことを

伝えてくれる

ひまわりでした。

今週もお元気で!

ご機嫌よう。

けいくう

☆☆

われはただ ほとけにいつか 葵草 こころのつまに かけぬ日ぞなき

月影の いたらぬ里は なけれども 眺むる人の 心にぞ すむ

                    (法然上人 ご道詠)

あいたさに こがるるおもい しろしめし かなえて給え このあいたさを

ありがたし 観音菩薩と同じ身を 受けて永遠 生きて往く我

                    (田中木叉上人道詠)