2022年3月13日

<第942話 世を明るくする「三知」>

こんばんは

3月も半ばになり

暖かくなってまいりました。

先週の金曜日、仙台に行ってまいりました。

東日本大震災から11年の月日が流れました。

今年は、震災が起こった年と同じ金曜日ということで、

感慨に耽る方も多かったようです。

目に見える建物の復興も進んでいますが

「11年経って、はじめて、震災に向き合う気持ちになりました」という方も居られ

個人差が大きいですが、心の傷が癒えるのは、まだまだのようにも思えました。

☆☆

今日は、世を明るくする「三知」の話です。

一つ目は「知識」(「情報」)。

色々なことを知るということ。

最近は、情報が溢れているという事情もあり

知識は不要・邪魔という声も聞こえますが、

それは、二つ目、三つ目の「知」を考えれば

知識があること、物事をきちんと知ることは大切なことだと思います。

二つ目は「知恵」(「智慧」)です。

サンスクリット語のprajna プラジュニャーです。漢字で「般若」と訳されます。

これは、真理を諦め、悟りに至る。という意味なのですが

簡単に

知識を身につけて、生活に生かす働きです。

いくら、知っていても行動に移せていたなければ

「知っているだけ」では、何の役にも立たないということ。

先の東日本大震災も、皆さまよくご存知だと思います。

だけど、現地に行かなければ、わからないことがありました。

現地に行くことが必ずしもいいこととは限りませんが、震災直後に托鉢をはじめて、5月の終わりに仏教会のメンバーで慰問しました。

その時に、行くことを反対したメンバーもいましたが、実際に行き、その惨状を目の当たりにし、匂いを嗅ぎ、避難所の学校や仮設住宅をめぐり、被災された方々と会話をしたことで、震災托鉢への思いが格段に深まりました。

知っているだけではなく、実際に行動することの大切さを感じました。

それから去年はコロナで行けませんでしたが、毎年伺っています。

震災が起こった直後から、一年間は毎週月曜日、朝7時から8時。近くの公共交通機関の駅前で、托鉢をしました。そして多くの方々に協力していただけました。

そして

ここで第三の「知性」(「霊性」)が働いてきます。

自分だちは、毎週月曜日、ずっと托鉢をした。すごいのではないか?と

思いあがるのを

そうではない。

皆さまのおかげで、させてもらっている。

と、自分のおごり・たかぶりを気づかせもらう働きです。

それがなくて、2番目の「知」で、止まってしまうと、自分の「我」がむくむくと育ってしまって

他の人を見下したりしてしまいます。

それでは、せっかくの活動が残念なことになってしまいますよね。

知って(知識)、それを生活に生かして(知恵)、謙虚に続ける(知性)。

三つの「知」を大切に活動していると、大きな笑顔の輪が広がっていくと思います。

そうしてコノ世を明るく・楽しく・仲良くしていけば、極楽世界がひらけていきますね。

そう、私の生き方から「三知」を。

今週もお元気で!

けいくう

☆☆

  親は子よりも 子をおもう 神聖正義の みこころに 

         そむき唯我が 為ばかり はかってついに 行き詰る

  一心帰命 打ち込みし ナムアミダブの 端的に 

         邪気も邪念も はらわれて 獅子奮迅の 勇気湧く

                        (田中木叉上人道詠)