こんばんは♪
今日は、諸法実相のお話です。
あるとき師匠の空外上人に、
「今まで揮毫された先生の作品の中で、どれが最高のものですか?」
とお聞きしたとき、
メガネをずらして、すごい目で睨まれました。
いや~、こわかったです。
(>_<。)
先生は、常日頃から、
「南無阿弥陀仏と称えながら、揮毫しているので、わしの右手が阿弥陀さまとなって、阿弥陀さまが字を書いて居られるのだ」とおっしゃっていました。
だから、すべての作品が、阿弥陀さま、そのもので、最高!ということです。
この森羅万象、すべてのものに、最高の価値がある。
このことを「諸法実相」といいます。
ちなみに、『日本大百科全書』には、
「諸法実相」とは
『般若経』『法華経』などに現れる思想の一つ。サンスクリット語のダルマターdharmatāなどの漢訳語。現象としてのあらゆる存在の背後にある、ありのままの真実のすがた。またすべての存在の真実究極のすがた。
この思想は大乗仏教思想に一貫して流れ、現象の背後にある真実の相を把握しなければ、人間としての真の生きがいを体得することはできないという。また、現象としての存在、および心作用に執着することなく、実体として見ないという立場(空観)によって、諸法実相が顕現するとされる。
中国天台宗以後、この訳語をもとに、「諸法は実相なり」と読解されることがしばしば行われた。この意味は、「現象としての存在は、そのまま真実在の現れであり、真実の相である」ということである。
その後、この「諸法実相」の語は、中国・日本仏教の各宗において、種々の意義をもつものとして解され、その意義はかならずしも一定していない。
と、難しく書いてありますが
さっき書きましたように
森羅万象、すべてのものに、最高の価値がある。
で、良いと思います。
(*^_^*)
☆
ところが、
空外先生は、自分の作品は、すべて最高!(偉そうな意味では決してありません)
と
おっしゃいますが、、、
美術商が、空外先生の作品を、ABCの3つほど、手に入れたとすると
その大きさ、筆勢、書かれた年代、文句、紙の保存状態などなどにより
A50万円、B35万円、C10万円とかと
値段が付くのです。
それを一般の方がご覧になると、、、
値段が高いAが、一番価値がある!と、比べてみてしまうとおもうのです。
僕は、その世間の価値観(ものさし)で、空外先生に
先生の作品の中で、最高のものは、どれですか?
と
聞いてしまったのです。
だから睨まれてしまった。
(>_<。)
しかし、空外先生は、阿弥陀さまの価値観で、生きておられるので
どれも最高だとおっしゃいました。
実際、自分がお書きになった書の前で、これはいい!と感心されていたのです。
そこでは、阿弥陀さまとお話されていたのでしょうね。
※これを「空即是色」といいます。
また、別の機会に書きます。
☆☆
私たちには、エゴがあり、ついつい
これが「良い」「悪い」と判断して暮らしています。
どの子も、仏の子であるはずなのに、
「良い子」「悪い子」「普通の子」と言って見てしまう。
この損得計算をする世間の価値観から、離れることが仏教を学んでいくことにもなります。
☆
先週の親が子どもにどう言えばいいのか?
「おまえは、お前のままで、そのままで好きだよ!」と
言っても、
世間の価値観を持ったまま言っていると
「僕が良い子だから、好きだと言ってくれている」
良い子でなければ、ならないというプレッシャーを子どもが感じることがあるかもしれません。
ここが、難しいところです。
キュブラー・ロス博士も
親が条件付きの愛で子どもに接していると
「子どもは、親に心の売春をするようになる」という言い方をされていました。
世間の価値観(条件付きの愛)を一旦、横において、
諸法実相という価値観(無条件の愛)で、子どもに対していく。
☆
「子どもが学校に行かない!」となったときに。
親が、どうすれば、我が子が学校に行ってくれるだろうか?と考えてものを言っている間は、世間の価値観です。
親がその価値観を持っている以上、子どももその世間の価値にしばられ、苦しんでしまいます。
問題解決をされた親御さんの言うことを聞いていると
「もう、どうでもいいわ。。。学校に行っても、行かなくても」となった時に
親子での会話が出来るようになってきたという話が多いです。
親が世間の価値観や自分のエゴといった条件付きの愛を捨てると
親も子どもも、諸法実相の世界へ入っていけます。
親は、子どもに「世間の価値観を捨てたよ。その上で、お前のことをそのまま好きだよ」と伝えることが大切なのです。
世間の価値観・親のエゴを持ったまま
「お前のことを好きだよ!」というとは違いますよ!と
書きたいのですが、書けているでしょうか?
我が子が
大学に入ろうが、就職しようが、部屋に居ようが、元気だろうが、病気だろうが、
「そのまま無条件で愛せる」かどうかです。
森羅万象、すべてのものが、最高の価値がある。
仏教の言う「諸法実相」の実践です。
それは、とりもなおさず
自分自身についても言えそうですが。。。
諸法実相の世界
その世界がお念仏で、開かれていきます!
私はまだまだその入り口にも立てていませんが、
諸法実相の世界へお念仏して、歩んで行きたいです。
もしよろしければ、ご一緒にいかがですか?
☆
梅の花が咲き、春の声が、あちこちから
聞こえ出しました。
今週もご機嫌よう。
けいくう
☆☆
小さくとも とわの命のみのる華 光にそだて 三昧の庭
かぎりなき いのちにからだ ただ着物 脱ぎしはだかぞ とわの輝き
(田中木叉上人道詠)