2021年9月5日

<第915話 ある親子の話>

こんばんは♪

9月になりました。

今月もよろしくお願いします。

朝夕涼しくなり

夜になると

虫の声が聞こえだし

秋の気配が感じられるようになりました。

未だ兵庫県は、緊急事態宣言の最中で

あまり移動ができません。

お盆のお参りが終わっても、どこに旅行などにも行くことがなく、、、

そんな中、ささやかな楽しみは、近所のスーパー銭湯に行くことでした。

そこで、露天風呂に入っていると

小学校3年生ぐらいの男の子とお父さんが

入ってきました。

子「お父さん、あの橋は何て言うの?

父「明石海峡大橋や!」

子「いつできたん?」

父「知らん!自分で調べろ!」

(*^_^*)

この「知らん!自分で調べろ!」が口癖みたいで、お父さんは連呼するんです。

それが、なんとも面白くて、クスッとなっていました。

父「う~ん、たぶん30年前ぐらいや!」

(正式には、平成8年完成、平成10年から一般車両通行なので、20年ちょっとです)

子「それは、平成やね」

父「そや!」

子「では、平成の前は何?」

父「昭和や!」

子「その前は?」

父「大正、それから明治や!」

子「では、明治の前は?」

父「う~ん、知らん! そや江戸時代や!!」

(*^_^*)

急に、元号と時代が混ざってしまいました。

皆さまは、ご存じですか?

「明治の前?」

そう「慶應」です。

ちなみに、

その前は「元治、文久、万延、安政、嘉永、弘化、天保、、、」とさかのぼっていき

飛鳥時代の「大化」まで行きます。

令和は、248個目の元号です。

☆☆

子「なんか、明治の前の江戸時代って、何か違うんちゃう?」

父「う~ん、知らん!自分で調べろ!」

この「知らん!」というのは、子どもにとって良いと思うんですね。

へんに、知ったかぶりをするよりは。

そして、自分で調べるクセがつけば、情報を鵜呑みにせず、自分の考えをきちんともてる子になるような気がします。すでに、結構しっかりしていましたけど、、、。

(*^_^*)

子「まぁ、ええわ!では、江戸の前は?」

父「う~ん、知らん!う~ん、そうや カマクラや!」

(+_+)

エライ飛びましたね。。。

(私の心の声) 

(笑)

父「カマクラいうたら、小さい家のことも言うんやで!」

確かに、字は同じです。

(私の心の声) 

(笑)

子「ほんま?!」

父「自分で、調べろ!」

子「では、カマクラの前は?」

父「う~ん、知らん、カマクラが最初や!」

きっと答えるのが、面倒くさくなってきたな!

(私の心の声) 

(笑)

☆☆

知らないことを「知らん!」というのは、ある意味、すばらしいなぁとおもいます。

あのお父さんは、たまたま歴史の勉強には興味がなかっただけかもしれません。

何にせよ、子どもにとっては、大好きなお父さんなのでしょうね。

そんなお父さんと夏休み、楽しくお風呂に入った想い出は、彼の宝物の一つになるとおもいます。

お風呂とともに、心までホッコリできた時間でした。

生きていく上で、大切なことは

何が正解かは、「わからないんです!」

だから、自分のオモイもそれにこだわりすぎず

知らないものは、知らないと言い

そして

わからないからこそ、敬意を払い、謙虚に生きていくことをしていこうとおもいました。

一緒に露天風呂にいてくれたお父さんと息子さん、ありがとう!

あの日のお風呂は、僕にとっても

楽しいささやかな夏の想い出となりました。

僕もこれから

「う~ん、知らん!自分で調べろ!」そして「仏さまに任せろ!」と

言ってきたいとおもいます。

今週も読んでいただき、ありがとうございました。

来週まで、ご機嫌よう!

けいくう

☆☆

  成り行きの 奥に導く 慈悲のみ手 良かれ悪しかれ やがて良くなる

  成り行きは 聖旨(みむね)に任せ いさぎよく つとむる日々の この気強さよ

                          (田中木叉上人道詠)