2021年3月7日

<第889話 如来の声>

こんばんは♪

もうすぐ東日本大震災から10年が経ちますね。

2万2千人余の方がお亡くなりなり、多くの方が今もなお、苦しまれていると思います。

心より、お見舞い申し上げます。

昨年の秋からの話です。

今、通照院でお手伝い頂いているK尼僧さんに、白羽の矢が立てられ

大阪のB寺に、住職に入りませんかというお誘いがありました。

いろいろ検討し、年末に、実際にB寺にお伺いしたのですが、立派なお寺でとても通照院を普段手伝いながら、B寺もというのは、難しいと判断し、丁重にお断りしました。

しかし、現在B寺をお世話なさっているU尼僧さまがご高齢であること、今までのご苦労をお聴きして、なんとか後継者がいないかと知り合いを当たりました。

K尼と同じ修行なかまで、S尼さんが、興味を持って下さり、先方に話をして

1月25日、K尼とS尼の二人が、B寺に行きました。

そこで、S尼さんが、次の後継者になることになりました。

二人がB寺に行く前に、私はS尼さんに、いいました。「B寺に行ったら本堂でおつとめして、その時に阿弥陀如来さまの声をちゃんと聞いてきなさい」と。

しかし、B寺から帰ってきたS尼さんは、私にいいました。

「一生懸命拝んだのですが、、、」

「如来さまの声は聞こえませんでした」と。

☆☆

皆さま、どうですか、神社仏閣にお参りされて

神さまや仏さまのお声を聴いたことがありますか?

(*^_^*)

如来さまの声って、どうやったら聞こえるのでしょう?

S尼さんとは、そのあと、お手紙などでやりとりをしていますが、

「私は兄弟からは<悩むのが趣味なん?>と言われてしまうほどいつも何かを悩んでいます」

と、

言うぐらい心配性の性格であることから、如来さまの声を聞けなかったことを気にされているようでした。

ですが、お手紙に、「日に日に<お寺に務めさせていただきたい!!>という気持ちが膨らんでいる」とも書かれていました。

そこで、私は言いました。

<お寺に務めさせていただきたい!!>という気持ちが日に日に膨らんでいるという

このことこそが

阿弥陀さまのお声を聴いている証拠ですよ!と。

S尼さんのこの気持ちは、どこから湧いて出ているのか?

そう。

阿弥陀さまのお声を聴いているからS尼さんの心の底から湧き出てきているんだとおもいます。

☆☆

人を好きになり

その相手から「私をなぜ好きになったの?」と聞かれたとき、返事に困る方もあるのではないですか?

物でもいいです。

アナタは、これが趣味なんですね?どうして?

と、聞かれたときに

たとえば、私は剣道や能が好きです。どうして?

いくつか理由は、言えますが、、、

最後は、「好きなものは好き!」というところに落ちつくのではないですか?

好きになるのに、理由は特にいらないとおもいます。

それは、心の奥の方から、湧き出てくるもの。

それを私は、如来さまの声と言いました。

なぜ、お寺に入るのかどうかを決めるのに「如来さまの声を聞いて」と言ったのか。

形が整っているからとか、条件で決めると

あとあとこんなはずではなかったとなった時、後悔することが多いからです。

お金やものは、はじめのうちは何もなくても、気持ちがあれば、無ければ無いなりに、工夫して出来ていきます。

法務(おつとめやお話)もきちんと出来ていなくても、毎日一生懸命練習を重ねていくと、上手に出来てくるようになります。

形だけ整えても、心が伴っていなければ、結局、何もできなくなります。

お寺の状態(本堂や伽藍の程度や檀家数)、立地条件などで、入るかどうかを決めるのではなく

自分の心の中から「この仏さまにお仕えしたい!」というオモイがないと

B寺に入っても

こんなはずではなかった!

こんなはずでは、、、連続に耐えられなくなるから。

すべては、自分の心にきちんと旗を立てているかどうかです。

そこをS尼さんは、心にきちんと旗を立てたので、ご実家のご両親も、娘さんも、周りの方もきっと協力してくださり、うまくことが進んで行くようになっているのだとおもいまう。これからが、楽しみです。皆さまも、応援してあげてください!

(*^_^*)

先週の日曜日、S尼さんがご両親・娘さんとともに、U尼さんにご挨拶に行かれ、その帰りに通照院にも寄ってくださいました。

私の予想どおり、素敵な方々でした。

そして、人見知りだと仰っていた娘さんが、通照院からの帰りの車中で「先日、お母さんが剃髪(髪を剃ること)して驚いたけど、お母さんがB寺に入ることをこんなに歓迎されて暖かく迎えて下さる。夢のよう」と祖父母さんに言われたとS尼さんのお父さまからのお礼の手紙にありました。

「夢のよう!」

って、素敵な言霊ですね。

みんなが、幸せになっていくイメージがパーァと広がりました。

実際に、B寺に入ってから、いろいろなこともあるでしょうが、

S尼さんに伝えました。

「悩まなくても、考えなくても

お念仏して仏さまにおまかせしていれば

大丈夫ですよ~~!

悩んでしまう。

考えてしまう。

そんな時は、お念仏して

感じましょう!

聴きましょう!

仏さまの声を!

自分の心の声を!」と。

通照院で頑張っているお弟子さんのK尼さんには

もっと考えろ!

悩め!

と言っているのに、、、

(>_<)

…面白いですね。

(*^_^*)

今週もお元気で!

ご機嫌よう。

けいくう

☆☆

のぼる峠は けわしくも 憂き世の風は 寒くとも お慈悲の中は 春びより 心もうらら 日もうらら

大慈大悲に うながされ 歓喜勇躍の はたらきに 心はずめば 身もはずむ 六字音頭のほがらかさ

 (田中木叉上人道詠)