2021年2月7日

<第885話 ご大切さま>

こんばんは♪

立春が過ぎて、季節は春になりました。

お日さまの強さも心なしかあたたかくなり、梅の花もほころびはじめました。

兵庫県も緊急事態宣言が延長されましたが、
皆さま、お元気で、お過ごしでしょうか?


来週は、バレンタインデー!

日本では、女性がチョコレートを渡して愛を伝える日になっていますが、アメリカでは愛を確認する日のイベント的な感じて、男性が女性に贈り物をするときいたことがあります。
もちろん、それはチョコレートの場合もありますが、メッセージカードなどを送ったりする、と。

そして、ホワイトデーは、日本だけですね。。。

企業の戦略に、乗せられているような気もしますが、愛することは、素敵なことです。
勇気をだして、愛を伝え、広めましょう!!

この「愛」という言葉は
明治以前は、今のような意味では使われていませんでした。

仏教では、トリシュナーという言葉の訳語として「愛」という字を使っていました。
それは、欲望を満たすということを意味する「渇愛」という語で出てきます。

お釈迦さまも、愛があるから、苦しみ、サトリへの障害となると説かれています。

家族を愛する、お金・地位・所有物を愛する。。。

すばらしい面もありますが、それが執着心を起こしてしまうからです。

では、昔は、「愛」に当たる言葉は、何だったのでしょう?

キリスト教のシスター、故 渡辺和子先生から、伺ったことがありますが、

  「神は愛である」を

宣教師は日本人に伝えるとき、その意味するところをきちんと伝えられていないことに気づき、彼らは日本語を学んで

アナタは、デウスさまのご大切さま」と

訳したというのです。

これは、名訳だとおもいました。

大切にされている、、、

愛されている、、、

う~ん。
似てますよね。

仏教では、「慈悲」と言っていました。

慈悲深いというのと

愛が深い。

やっぱり似ていますよね。
(*^_^*)

それ以外には

「情(なさけ・じょう)」といっていたとおもいます。

情に厚い(おもいやりが大きい)
情にもろい(共感力が強い)

情けを交わす(愛し合うこと)

情けを知る

情を使った熟語、いろいろありますよね。

人情・愛情・友情・薄情・表情・感情・事情・実情・心情・同情などなど。

この情は、

立心偏 に 青 

立心偏が、こころを表し

青の上の部分は「生」の象形文字
青の下の部分は「丹」の象形文字です。

「生」は、生まれて、草木が育つという意味
「丹」は、丹念ともいいますが、まごころ。とか 井戸を意味します。

キレイな水が井戸から湧き出てきている様子が、「青」のイメージです。

「情」は、生まれながらの純粋な心と言えます。

「愛」もいいですが「情」もいいですね。

最後にもう一つ

情けは人の為ならず

これは、甘やかしていたら本人の為にならない!
という意味で使われる方もありますが、
それだと「情けは人の為にならず」の解釈ですよね。

「為ならず」は、人の為ではなく、自分の為ですよ!という意味です。
だから本来は、

人にやさしくしていると巡り巡って自分にいいことが返ってくるということになります。
(*^_^*)


どの言霊を使おうと、受け取る相手のことを考えて、心を込めて使う言霊が

間違いなく相手の心を温かくし、笑顔が広がる秘訣です。

バレンタインデーの時だけ、チョコを贈るのが愛ではないです。

日々の言葉使いの中に、真心を込めて、愛を伝えましょう!
(*^_^*)


「愛」、「慈悲」、「情」どの世界も深いですね。
これからも、一緒に学んでいきましょう。

今週もお元気で!

けいくう

☆☆
  踏まれても たんぽぽは 笑む野にあざみ 世に捨てらるる 言の葉のとげ

  呼ぶ前は さほど感ぜぬ大慈悲の 声に心の うつり恋しき

                       (田中木叉上人道詠)