2020年10月5日

<月の光 第867話>

こんばんは♪

仲秋の名月が、きれかったですね。

ここ何日か、ずっとお空を見上げていました。

先月は、葬儀も多く、お亡くなりになった方々は、お彼岸に沈む夕陽の向こうかなぁ
月の都に帰って往かれたのかなぁ、なんて考えていました。

法然上人の有名なお歌に
「月影の歌」があります。

月影の 至らぬ里は なけれども ながむる人の心にぞ すむ

月がお空にいくらきれいに輝いていても、それを見なければ、その美しさがわかりません。

空に浮かぶお月さまを見ても、

「あっ、満月だ!」

「すごい!」

「きれい〜!」

だけで、終わってしまうかも知れません。

なぜ月は美しいのでしょう?

月の光は、やさしいからです。

ずっと観ていられます。

それは、自分が光を発しているのではなく、太陽からの光を受けて
それで、私たちを照らしているからです。

太陽の光は、力があります。

光・熱・光合成を促す力

しかし、そのままあびると凶器です。

僕なんかは、真夏20分も直射日光の下に居ると皮膚が弱いから、やけどのように真っ赤になって腫れ上がり、その晩、眠れなくなります。

仏さまの光を太陽にたとえると

お月さまの光は、菩薩の光。

私を照らしてくれるために、やさしく、そっと闇夜でいてくれます。

そんなお月さまを見るから、癒され、感動するのです。

自分から、光を発しようとしなくてもいいんです。

自分は、真っ黒い衛星でもいいんです。

仏さまが光を注ぎ

それを受けて、少し明るくさせてもらうと

それで救われる人もいるのです。

僕は、ちっぽけな真っ黒な固まりです。

だけど、やさしくなりたいです。

お月さまのように、そっと人を支えられる人になりたいです。

そのために、祈ります。
( -人- )

心を込めて、祈ります。

そんな菩薩たちの光を感じながら月を見上げてみて下さい。

きっと心にやさしい火が灯りますよ。

そして、少しやさしい自分にさせてもらえます。

秋の夜長、楽しみましょう。

今週もお元気で。
ご機嫌よう。

けいくう

☆☆
夕映えの空 色あせて いつしか闇のしのびよる いりあいの鐘 かすけくも 町こえ野こえ ながれゆく

澄みしみ空に月しろく またたく星の銀すなご めぐみの戸張たれそめて 人はいこいに 安らけし
                           (聖歌「光明三昧」より)