2020年8月2日

<第858話 落ちついて美しく>

こんばんは♪

梅雨があけたとおもったら、猛烈な暑さがやってきました。
陽射しが痛いです。

いよいよ8月、お盆月です。

暑さに負けず、がんばります!!

今日は、写経会でした。

そこで、会津八一先生の話をしました。

中でも有名な書簡(大正15年8月26日に大泉博一郎氏宛)を紹介します。

「御手紙に接し御近状悉く承知いたし候。すべて落ちつきて仕事のすべてに一つ一つに充分力の入るように御勉強なされたく候。一生涯にて為したることの数は多からずともよし、少なくともよし、そのひとつひとつによく力をこめて静かに進むべし。此人にあらずばよく為しがたしとおもうふばかりの事一つにても為さば、ただ其一事のみにて其人は勝利者となり成功者ともいふべし。貧乏にても名声はなくとも、やはり其人は成功者勝利者たるべし。かならずあせらず落ちつきて御進みなさるべく候。(中略)
ただし此落ちつくといふことは我等にても今尚ほむずかしきことの一つに考へ居ることにて、折々おもひ出しては、落ちつくやう落ちつくやうと、心がけ居るありさまにて候へば、貴下の年配としては、むしろ当然とも考へられることながら、御同様、気をつけて落ちつきて、美しき人になりたく候」(『會津八一全集』第8巻p.494より)

この書簡では「落ちつく」ということが、キーワードになっています。

言葉を変えれば「腹を決める」「腹に据える」ということです。

しっかりと腹を据えて、目の前の仕事、一つ一つに心を込めること。自分の人生を通して、多くのことをしなくても、少しでも、その一つ一つを大切にしていけば、「あなたにしかできない仕事ですね」と言ってくれるほどの事ができるようになる。
そういったことを一つでも、自分の人生したとおもえたら、生まれてきた甲斐があったというもの。それには、「落ちついて」進んで行く。

『鬼滅(きめつ)の刃』というアニメが、すごく流行っていますが、主人公が「全集中の呼吸」を習得するのに、似ているとおもいます。柱と呼ばれる最強の人たちは、常に全集中の呼吸をしている。そう常に、腹にものごとを据えて生きてくと、最高の力がだせるのです。

だけど、アニメでは、すぐに習得していますが、、、

この「落ちつく」ということが、會津先生をもってしても、難しいことなので、時々思い出しては、「落ちつけ」「落ちつけ」と心がけないといけません。

落ちつくための習慣を何か考えているといいですね。
私の場合は、常にお念仏を忘れないということです。仏さまを念じていると、起こること、すべてを仏さまにおまかせできますから、自分はあたふたせずに済みますから。
(^_^)

だから、若いアナタには、時には浮き足立つのも仕方がないことかもしれないけど、私がしているのと同じように、落ちつくことを意識して行い、

  <美しい人>になりましょう!!

この「美しき人になりたく候」 ! しびれる言葉ですね。

これは、別の書簡で、「人格が鮮やかな人」「人格の美しく尊い人」とおっしゃっていますから、

外見ではなくて、中から見地味出る<美しさ>のことを言っているのです。

その為には、「落ちつくこと」「目の前のことを一つ一つ丁寧に心を込めて、行うこと」心がけていきたいとおもいます。

會津先生は、「落ちついて、美しい人」になるために
「学規」を書いておられます。

一つ、ふかくこの生を愛すへし
一つ、かへりみて己を知るへし
一つ、学藝を以て性を養ふへし
一つ、日々新面目(しんめんぼく)あるへし

最後の日々真面目あるべしは、毎日、毎日、その日を新しい日だとおもい、昨日のことを引きずらず、明日のことを取り越しせず、精一杯生きること。

晩年、會津先生は、戦災にあって、故郷新潟に帰ります。そのとき、教え子が「夕刊ニヒガタ」の社長に懇請して、先生の晩年の生活を支えようとしたら

「人生に余生や残生はありません」と一喝されたという話があります。

毎日、心を込めて、真剣勝負を通された會津先生の人生は美しかったとおもうのです。
「落ちつき」「ガマンする」「勇気を持つ」「周りの人によろこんでもらう」
そのために、自分に日々課題をだし、それをたんたんと実践された「厳しさ」「強さ」「激しさ」を徹底された人生、私も、見習いたいとおもっています。

☆☆
今月は、15日までに、お盆参りで400軒ほどお伺いします。

一日、30軒ぐらい?
気が遠くなるような軒数ですが、
一軒一軒、心を込めて、おつとめいたしますので、どうぞよろしくお願いします。

お盆参りが終わった曉には、今より少し<美しい人>になっていますように。
( -人- )

暑いです、熱中症に気をつけて

お元気で!

けいくう

☆☆
大空を あくがれ強く 大地ふむ 一難ごとに 増すぞ一勇

し こがねの門の なお高し いつまではわん 野に蟻の如と
                     (田中木叉上人道詠)

☆おまけ☆

8月2日(日)写経会の法話をユーチューブにアップしまいた。よろしければご覧下さい。