2023年7月更新

「水掛け論に思う」

7月になると、陽の光が強いですね。
近くにアジュール海岸があり、子供たちが水辺で水掛け合いっこをして遊んでいます。
子供たちが水を掛け合っているのは微笑ましいことですが、
狂言に「水掛聟(みずかけむこ)」という演目があります。

あるとき、お聟さんが田んぼに行くと、
水がなくなって、姑さんの田んぼに水が流れています。

「これはいけない」と思って水の流れを変えて、自分の田んぼに水を引き直します。
すると、今度は姑さんが田んぼにやってきて「自分の田んぼに水が入ってない。聟のところに入っている。」
二人は水の取り合いで喧嘩をします。

水を掛け合ったり、泥を掛け合ったり、最後は取っ組み合いの喧嘩をします。
そこから「水掛け論」という言葉ができ、「我田引水(私の田んぼに水を引く)」という言葉もできました。

みんな自分が可愛いのです。
自分のことを一番に考えてしまいます。

しかし、それではいつか行き詰まってしまうことになることも、皆知っています。

水を掛けられたときに、自分のことばかりではなく、
掛けた相手の気持ちを少し考えられる余裕があれば、水掛け論をしなくてもいいのです。

私たちはみんなで手を取り合って、仲良く暮らしていくのが幸せだと、ちゃんと知っています。
暑くても、水を掛けられても、
みんなと手を取り合って暮らしていきましょう。

今月も日曜日ごとにお念仏会を予定しております。
7月29日、土曜日の夕方は、お寺探検という子供たちのイベントも予定しています。
どうぞ楽しみにお寺にお参りください。