2016年2月更新

節分に寄せて

季節の変わり目には邪気が入り込みやすく、それを「鬼」と呼んで、豆をまいて退治すると言われています。

ある二人のお坊さんが悟りを求め、中国へと修行に向かう途中、一軒のあばら家に泊めてもらいました。
翌朝辺りを見てみると、そこは人の骨が散らばった墓場でした。
二人はお骨をきれいに埋葬し、祈りを捧げ、もう一晩泊めてもらいましたが、その晩、二人は眠れませんでした。
翌朝、片方の僧はそそくさと荷物をまとめ「私は未熟だ。早く中国に行かなければ。」と旅立って行きました。
もう一人の僧は「おとといはぐっすり眠れたのに、昨日の晩眠れなかったのは、自分の心の問題だ。
中国に行かずとも、ここでしっかりと自分の心を整えて、穏やかに過ごせるようになることが修行だ。」と留まりました。

今与えられている場所できちんと心を整える。それが修行ではないでしょうか。
「鬼」は自分の心の中にいます。
それを豆といっしょに追い出して、楽しく明るく元気に過ごしていきましょう。
お寺にもどうぞお参りください。